2014年9月15日月曜日

NHK特集~臨死体験 極めて参考

2014年9月14日のNHK特集で、立花隆の取材による「臨死体験」の番組が放映されていました。これを視聴しましたが、非常に参考になる情報を得る事ができました。参考になるといっても、死後の世界についてではありません、脳科学に関する事です。

①「偽の記憶」に関する研究

私たちは「記憶は自らの体験に基づく事」と考えていますが、実際には体験した事でなくとも「体験した記憶」として形成される事が実験的に証明されているそうです。マウスの電気刺激実験、自分が写っている幼児期の偽の写真を何度も見せられることで、本当に自分が体験したかのような記憶が形成されるという実験を取り上げています。ネットを調べると、他にも偽の記憶に関する研究の記事を見る事ができます。それらからわかることは「犯罪の捜査において証言を過剰に信用することは事実を曲げる危険性が高い」という事です。



これは、慰安婦問題における「元慰安婦の証言」が実は「偽の記憶に基づくものである可能性も十分にある」事を示唆しており、証言だけによる事実の認定は、事実を捻じ曲げる恐れが高い事を意味しています。

②動物にも「意識」がある、という仮説

人間の「意識」とは何なのか、それを説明するための現在有力な仮説として「意識の統合情報理論」が紹介されていました。これによれば、意識とは特定の神経細胞が生み出すものではなく、非常に多くの神経細胞が同時に活動し、それらのネットワークの相互作用として生み出されるものであるとされます。それからわかる事として、規模こそ人間に及ばないものの、動物にも神経細胞のネットワークがあることから、動物にも意識があるのではないか、という事が考えられるというものです。


これは、シーシェパードなどが「イルカは高等動物で考える事ができ、人間と同じように意識もある」という理由で捕獲に反対し、逆に「牛や馬などを下等であるから、殺して食べても問題ない」という極めて偏った考え方をしている事に対し、科学的に反証する根拠となりそうです。すなわち、イルカだけでなく、牛も馬も、その脳のネットワークの大きさに応じた意識を持つ、という事であり、イルカだけが特別に「かわいそう」なのではないという事です。人間は常に生き物の犠牲の上に生存する罪深き存在なのです。そうした犠牲に対する謙虚な「感謝の念」があるかどうかが問題であり、牛は下等だから、ばんばん殺して食って何が悪い、などという話ではないということでしょう。

③現実とは脳が作り出すもの

これはとりわけ目新しい情報ではないものの、それを実験によって立花氏が体験するという映像が面白かった。ところで、人が認識する「現実」とは記憶の体系ですが、その記憶は実にあやういものだそうです。「偽の記憶」にも関連しますが、つまり、記憶というものは偽である可能性もあるため、体系化されたウソの情報のかたまりを「現実」と信じ込む可能性も高いという事です。これこそが、マスコミによる「プロパガンダ」であり、世の中の氾濫する情報が、果たして本当かどうか、まったくわからないという危惧なのです。

おそらく、一般人が認識している現実と本当の現実は違うでしょう。そして富を独占するという1%の人々の現実も我々とは異なるに違いありません。私たちは所詮、作られた「現実」の世界を生きているに過ぎないのです。