2014年9月14日日曜日

地方へのばら撒きは絶対必要 資本主義だから

今度の安倍内閣の一つの目玉が「地方創生」だそうですが、そんな簡単なものではないでしょう。「地方へのばら撒きはしない」と言っているそうですが無理です。地方へばら撒かないと地方は確実に破綻します。資本主義だからです。

もちろん、地方が地方なりの独自の産業を興すことは重要です。地方の努力が必要です。しかし根本的に、資本主義は「一極集中の強力な圧力を有する」という不可避の現象があります。資本主義においては、人々の生活より利益が優先だからです。

例えば産業の大きな分野を担う「製造業」は、沖縄や北海道のような国土の端部ではなく、中央部に作ることが効率的ですし、そこに工業地帯が形成されると、様々な部品や原材料を供給する製造業も、その地域に集中するようになります。コストを低減するためです。地方に誘致するには「補助金」や「地代の割引」など、結局は地方自治体がコストを負担しなければなりません。これではばらまきと同じ意味になってしまいます。

第三次産業のウエイトが高まっているとはいえ、まず製造業が根差した地域でなければ、安定した雇用が確保しにくのは自明でしょう。地産地消が理想的なのですが、規模の経済効果から言って、それは絵に描いた餅にすぎません。もちろん、観光業や地域の特産品など、絶対にその地域でなければ供給できない商品もあるわけですが、それが産業の大黒柱となって地域を支えるほどになるとは、とても思えないのです。

その意味で、地方がどれほど頑張ったとしても、地方へのばら撒きは絶対に必要であり、それは、経済のシステムを根本的に変えない限り避ける事はできないと思います。また、地方へのばら撒きを無くせば、どれほど努力しても確実に地方は衰退、崩壊すると思います。だからこそ、現実問題として、そのような現象が生じているわけです。そこから目をそむけるわけにはいきません。