2014年10月12日日曜日

通貨政策に関して対立する2つのスタンス

世界や日本の金融政策に関する動きを観察していると、実は2つの対立するスタンスのあることがわかります。それは根本的に通貨の機能のうち、何を優先的に考えるかによって異なるのでしょう。

一方のスタンスは、「貯め込んだおカネの独占的な権利を守る」という立場です。典型的な資本主義のスタンスでしょう。従って、この場合は経済を動かす手段は「投資」であり、貯め込んだおカネを活用する方法が中心となります。あくまでも、貯め込んだおカネを利用する、その際に利子を要求します。

別のスタンスは、「経済を財の生産と分配」と考え、そのための手段として通貨を利用する立場です。従って、この場合は経済を動かすための手段としては、貯め込んだおカネに限定することなく、カネを刷って活用する事も厭わない。ですから、量的緩和のような事が行われます。

ですが、後者であっても、いずれ刷ったおカネは誰かの貯蓄として貯め込まれてしまいます。そして彼らも、貯め込まれたおカネの権利を主張するようになります。やがてどんどん刷られたおカネは「巨大なマネー」となって暴走をはじめます。

ですから、通貨の循環を健全に保つためには、貯め込んだおカネの独占的な権利そのものに手を付けねばならないと思います。つまり預金課税の事です。