2014年11月16日日曜日

格差社会が中国の市場を成立させる

中国の市場が魅力的であると、マスコミや識者がしばしば書いています。「中国人の消費が世界経済を支える」ような話です。確かに中国人は購買力があります。しかし、なぜ購買力があるのでしょうか?

中国の市場は格差によって成立していると思います。中国に購買力がある理由はなにか?非常に安い賃金で低価格の商品を生産し、それを海外に輸出してドルを稼いでいます。そのドルが購買力となっています。そのドルに裏付けられて元の価値が機能します。

しかし、安い賃金で労働している貧困な人々に購買力はあるのでしょうか?まったくありません。その日を生活するだけで精一杯のはずです。そして非常に多くの人々がそのような労働者です。そして、そのかわり、輸出で稼いだおカネは、ごく一部の層に偏って分配され、これらの一部の富裕層が外国製品を買うだけの購買力を有しています。非常に人口の多い国だけに、一部の富裕層であっても、その数が多い=市場が大きい、という話です。

もし、中国が平等な国だったらどうなるか?おカネが人々に公平に配分されると、富裕層が居なくなります。すると、中国の市場は消えてなくなるのです。

格差によって成り立つ中国の市場。
その背景にある残酷なメカニズムを知るべきだと思います。

世界の市場も似たような傾向がありますけどね。