2014年12月26日金曜日

安倍首相は資本主義ロマンチスト

安倍首相は資本主義を信じるロマンチストのようです。なぜなら資本主義マクロ経済の理論を勉強し、真面目にそれを用いて日本を取り戻そうとしているからです。これは評価すべきでしょう。今まで見たどの自民党の政治家ともインテリジェンスのレベルが違っています。

今までの自民党の政治家はビジョンも理論も感じられない単なる「政治屋」でしかなかったので、自民党のような腐った政党から安倍政権が誕生した事に驚いています。資本主義の枠内で最善を尽くす安倍首相の姿勢を高く評価したいと思います。何年経っても同じことばかり言っている日本共産党の中からも、安倍氏のような政治家が現れると、大きく変わるんでしょうけど。

しかし、資本主義の枠内で最善を尽くしても、そこには資本主義経済のシステムが決して逃れる事の出来ない欠陥・矛盾があり、やがて限界にぶち当たるはずです。いや、すでに世界経済はその壁に行く手を阻まれつつあります。

世界は「脱・資本主義」「ポスト資本主義」のビジョンを打ち出すべきです。別に革命が必要とは思えません。革命と言えば何か格好よく聞こえますが、殺し合いの事でしょう。むしろ可逆的でシームレスな変革が必要だと思います。このまま問題を放置して、手が付けられないほど悪化してしまうと、暴動や革命のような過激思想が生まれてきます。

読んではいませんが、ピケティという人が書いた「21世紀の資本」という経済書が、欧米で大ヒットしているらしいですが、彼自身は資本主義を否定することなく、修正、つまり人々の不幸の最大の原因となる「格差」を解消するために、資産への課税を提案しているそうです。私も別の理由から資産への課税を主張しており、共感できると思います。

こうしたアプローチも、資本主義の必然的な欠陥・矛盾を補正する「対症療法」として一時的に有効だと思います。ただし、対症療法である限り、遠くない将来に別の問題が噴出してくるのではないかと思うのです。

その矛盾が明らかになるのは、おそらく日本において高齢化と労働力不足が深刻化するにつれ、より一層の機械化、ロボットの導入による労働力不足の解消が求められるようになってからでしょう。

現在の経済システムのままでは、高度な機械化が不可能であることを認識することから始まるのではないかと思うのです。「労働者=消費者」という両面性が徐々に崩壊するために、通貨循環のシステムに矛盾が生じるからです。