2014年12月28日日曜日

デフレが続くと、おカネが文字通り「消える」

人々がおカネを使わず貯蓄を増やすとデフレになります。デフレになってもなお、貯蓄をやめないと、どんどんデフレが進行します。では、貯蓄がそのまま増え続けるのかと言えば、そんなことはないでしょう。やがて減り始めるはずです。なぜなら世の中からおカネが文字通り「消える」からです。

別にマジックでも何でもありません。世の中のおカネはすべて銀行からの借金で出来ています。これを美しく言うと「信用創造」といい、その結果として作られるおカネを預金と呼びます。預金とは債権がおカネという形になったもので、その価値の裏付けは誰かの負う債務に依存します。

早い話、「誰かが借金をしてくれないと、世の中のおカネは存在できない」というのが、現代資本主義の銀行制度の本質です。

デフレ不況が進行すると、積極的におカネを借りる人は居なくなります。そのかわり、借りていた人がどんどん返済するようになります。その結果、債権と債務が相殺されておカネは世の中からどんどん消えてなくなります。それをわざわざ難しく言うと「信用収縮」となります。ですから、いやおうなく、やがて貯蓄も減ることになるはずです。

では、なぜ日本では貯蓄が減らず、個人の預金資産も企業の内部留保も増え続け、1000兆円を超えているのか?それは、政府が1000兆円を超える借金をしているからです。銀行制度の本質から言って、個人や企業の貯蓄の裏付けは、政府の借金なのです。別にマジックでも何でもありません。バランスシートという資本主義における会計上の仕組みから言って、誰かが貯蓄するということは、誰かが借金を負う、そうならざるを得ません。

つまり、政府の借金を減らすためには、個人か企業の貯蓄を減らすしかないのです。そこで政府が今やろうとしている事は何か?消費税の増税と法人税の減税です。さて、個人と企業のどちらの貯蓄を減らす魂胆なのでしょうか?

もう、おわかりですよね。
あ、これもヤバい話だ。