2015年1月1日木曜日

久々に聞いた理論「バランスシート不況」は英FTで

新年おめでとうございます。本年もマスコミは問題の本質に切り込むことなく、見せかけの報道ばかりが世間を賑わすことでしょうね。国民に本質が知らされることは、いつの事やら。

さて、本質といえば、日本のバブル崩壊後に「バランスシート不況」という理論を用いて、現代経済システムの本質に切り込んだ「リチャード・クー氏」ですが、氏はその後、まるで腫物に触るがごとく、日本の経済論壇から消されてしまった(と思われる)わけです。あれほど話題になった人が、最近は新聞にもネットにも、まるで露出されないので、死んでしまったのかと思ったら、日本では無視されていても、外国では取り上げられています。

中国経済、「バランスシート不況」に陥る恐れ
(2014年9月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国経済のバルブはまだ決定的に崩壊していないものの、氏によれば、中国において信用拡大が思うように進まないのは、すでにバランスシート不況(債務超過への不安)の状態が生じつつあるからだ、としています。なるほどと思いますね。

さて、こんなリチャード・クー氏がなぜ日本で無視されている(と思われる)のでしょうか?それは、氏の理論である「バランスシート不況」論が、「銀行制度が不可避的に抱える欠陥を強く示唆する理論」だからではないかと思います。つまり「銀行」の権威を不安定にする可能性がある。つまり危ない。

とにかくマスコミは「臭いものにフタ」をして、お笑い番組を大量に流して大笑いチャンチャン。偉い経済学者の先生は「臭いものは完全無視」して、しかめ面で簡単な話をわざわざ難しく語る事で、国民の関心を経済問題から遠ざける。財務省は御用学者を使って着々と増税。また本年もこのパターンですね。

しかし、「資本主義経済の本質は借金である」という単純明快な問題に触れることなく、問題の本質から逃げたまま、今年もズルズルいくだけなのでしょうか?