2015年1月16日金曜日

ギリシア ユーロ離脱して通貨発行権を得よ

ギリシアの総選挙において、急進左派連合がリードを維持しているらしいです。この急進左派連合は、緊縮に反対しているそうですが、一方で「ユーロ圏は離脱しない」と主張しているようです。しかし、これ無理があるんじゃないですかね。

そもそも、ユーロ圏に加盟した国には「通貨発行権」が認められていません。国民に通貨発行の主権がないんです。それなのに「緊縮は反対だ」という。そりゃ無茶です。

たとえば、自国の通貨発行権がきちんと存在する日本のような国であれば「通貨を発行して財政に用いる」ことが可能です(財政ファイナンスだーという批判はありますが、仕組みとしては可能)。しかしギリシアは通貨が発行できないから不可能です。

となれば、借金するしかない。つまり「国債」を発行するしか方法はないでしょう。ところが、ギリシアは通貨を発行する権限はない。つまり「ユーロは自国通貨でありながら、なんと外貨と同じなのです」。外貨建て国債なのです。たとえば自国通貨建て国債の場合には、最悪の場合でも通貨を発行することでデフォルトは回避できますが、外貨建て国債の場合は支払い不能になると100%デフォルトします。

通貨発行権が無い国の国債はデフォルトリスクが回避できません。そんな国債を大量に乱発されたら、ユーロの市場価格が不安定になり、そりゃあ他のユーロ圏の国にとってはえらい迷惑ですね。しかも、自分で後始末できないんですから。

緊縮は嫌だけど、強力な通貨「ユーロ」を失うのも嫌だ。そんなわがままを言ってはいけません。ユーロ圏に残りたいなら緊縮を受け入れるべきだし、緊縮しないなら潔くユーロ圏から脱退すべきだと思います。自国の経済力よりはるかに強い通貨を自国通貨として利用できるなんて、都合が良すぎます。ユーロ圏から脱退してもEUから脱退するわけでは無いのです。