2015年2月18日水曜日

健全な富裕層の形成が必要

ピケティ教授のおかげで格差問題が話題になっています。どうあれ、そうしたことに人々が関心を持つ事はたいへんに有意義だと思います。

ところで、自分は格差を完全に否定する気はありません。しかし、どんな大きな格差でも容認するのは、社会的にも経済的にも問題があると考えています。つまり、格差はあっても良いが、その格差が社会を歪め、経済を停滞させるものであってはならないのです。

多くの付加価値を生み出し、社会に貢献した人が報われるのは当然の事です。その意味の格差は理解できる。しかし、資産をしこたま貯め込んで、すでに付加価値を生み出さない状態になっているにもかかわらず、カネの力だけで資産を増やし続ける人が世の中に増えることはいけないと思います。

カネの力ではなく、自分の努力で所得を得るなら誰も文句はいわないでしょう。

その意味で、資産課税、とりわけ金融資産課税を導入し、かわりに所得税を減税することが、上記の考えに資すると思います。所得税は、現在生み出している付加価値に課税するものですから、あまり良くありません。付加価値に課税するのではなく、金融資産課税を実施し、貯め込んだカネの力で資産を増やす行為を抑制すべきです。どうせ課税するんだからプラスマイナスゼロだって?そんなことはありません。

それでは、所得税を減税し、金融資産課税を導入した場合、健全な富裕層はどのような生活になるでしょう。富裕層の所得にかかる所得税を軽減するのです。それにより、彼らは豪華な家、高級車、ぜいたくな家具、おいしい食事などを、所得税の減税によりさらに多く得る事ができます。稼いだら使う、これが健全な富裕層の姿です。

ここでポイントは、住宅や耐久消費財には課税しないということです。これは資産であるけれど正当な財産だと考えます。なぜならこれらはカネを生み出さないからです。「カネからカネを生む財産」が格差を広げるのであり、彼らの生活を豊かで健康的にするための財産は彼らの正当な財産だと思います。

そのかわり、カネをしこたま貯め込むなら、金融資産に課税して「カネからカネを生む」ということを控えていただきたいわけです。不労所得が格差の固定化に繋がるからです。

もし「カネからカネを生む」人ばかりが社会で増えたら、誰がいったい働くのか?生活保護の人が増えると働く人が減りますが、それとまったく同じ結果になると思います。

本質的に不労所得者=生活保護者です。
どちらも働きません。