2015年4月11日土曜日

甘利大臣「小さなバブルは制御可能」の無知

甘利明経済再生相は、日経平均株価が2万円台を付けたことについて「小さなバブルは制御可能だと思う。」と発言した。本当にそう思っているのか、あるいは確信犯的にそういっているのかはわからない。いずれにしろミニであろうがなかろうが、制御は不可能でしょう。

理由はとても簡単です。現在の株価上昇は大規模な金融緩和によってもたらされていることは明らかです。企業業績回復への期待も株価押し上げに寄与していると思われますが、それも金融緩和が大きく関係しています。つまり、金融緩和を止めれば株価は下落します。しかし日本経済の現状に目を向けると実体経済はデフレ脱却の途上であり、デフレギャップが存在し、インフレ目標の達成の見通しも厳しい。このような状況下で金融緩和を緩める事が出来るか?不可能です。

もし金融緩和を続ける限り、株バブルはこのまま拡大を続け、やがて巨大バブルに成長します。つまり、コントロールなど最初からできないのです。もしコントロールすると称して金融緩和を中止すれば、その時点で日本経済は再び不況の底へと落ちてゆくでしょう。

そして、もし日本経済が好景気に戻ったときは、すでにバブルは十分に巨大化しており、金融緩和の中止と同時に株式市場は不安定化し、海外投資家が売り浴びせなど仕掛けてくれば、崩壊も時間の問題となるでしょう。それが引き金となって、日本経済は再び奈落へ落とされるのです。歴史上、資本主義経済は何度も何度もこれを繰り返しています。

甘利大臣は本当は何を考えているのか?本当にミニバブルは制御可能と思っているのか、あるいは確信犯的にそういっているのか。わからない。