2015年4月22日水曜日

なぜマスコミはバランスシートで語らないのか

最近、銀行と日本国のバランスシートを検討していますが、このバランスシートは検討すれば検討するほど、経済の仕組みを理解するうえで便利、かつ重要なツールであることをあらためて実感させられます。そもそもバランスシートは資本主義の原理原則なので、バランスシートが重要なのは当然ですが、言葉だけでは説明や理解の難しい状況が、これで明快に理解できます。

そこで、ふと思うのは、なぜバランスシートが広く国民の知識として行き渡っていないのか?という点です。私たちの経済の動きを理解するには、不可欠、かつ便利なのです。しかも財務でもやらない限り、基本的な仕組みを知るだけでも十分に使えます。

たとえば、マスコミの大好きな増税に関連した記事で言えば、以前の記事に「国民の貯蓄率が低下して貯蓄が減れば、政府の国債を買う財源がなくなる」とありましたが、あれは嘘です。バランスシートを使うと、そんなバカなことはあり得ないとすぐにわかるのです。しかしバランスシートを知らなければ、そのウソを見抜くことは絶対にできないのです。

そうしてみると、国民を愚民化しておくのが、いかにマスコミにとって都合がよいかわかります。そのような理由により、バランスシートという切れ味の鋭い武器の存在をなるべく国民に知らせない、触れさせない行動をとるでしょう。

バランスシートを使って世の中の経済現象を説明する本が、もっとたくさん必要かもしれません。