2015年6月18日木曜日

ギリシア債務はグローバリスムの本質

ギリシアの債務問題は政府がだらしないから起きたのではない。グローバリスムによって、途上国に先進国からおカネがどんどん流れ込むようになったからだ。流れ込むといっても、要するに「借金」だ。グローバリスム以前のように資本の移動に制限があれば途上国に流れ込むおカネは抑制される。資本を制限すれば、もちろん途上国が急速に経済成長することは難しくなる。しかし途上国が借金まみれになることもないのだ。

借金は政府だけがするわけではない。韓国が以前にIMFの指導下に置かれたのも、政府の負債ではなく民間の負債が原因だ。そしてグローバル資本が持ち込むのは借金だけではない。バブルもそうだ。アジア通貨危機の際にはタイやインドネシアに大量のおカネが流入して不動産バブルを引き起こした。そして途上国にインフレをもたらし、頃合いをみて利ザヤを抜きにかかった外国資本が引き上げれば、借金の山とインフレが残されるという寸法だ。

グローバリズムに踊らされたギリシアの自業自得であることは確かだが、国民が望んでそれをやったわけではない。借金して大儲けしたやつは隠れている。ギリシア市民が怒り狂ったとしても、おそらく当然のことなのだ。