2015年7月3日金曜日

ギリシャ ユーロ圏離脱せずにドラクマ発行か

ロイターの記事によれば、仮にギリシャが債務不履行であったとしても、ユーロ圏から強制的に追い出すための仕組みがないらしい。ということは、ユーロ圏に属したままドラクマもまた発行される可能性があるのだろうか。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0PA09T20150630

記事によれば、ドラクマを発行しても、形式的にユーロ圏に留まることも可能だろうという。形式的にユーロ圏に留まって、意味があるのだろうか。

はじめからギリシャはユーロ通貨の発行権を持たないわけだから、その意味では破綻の前後で状況に変化はない。ただし破綻を機にECB(欧州中央銀行)からギリシャの銀行へのユーロ(現金)の融資は停止されるはずなので、ギリシャの銀行がユーロによる大規模な取引業務を行うことは難しいだろう。しかしECBがギリシャからユーロ(現金)を没収することはできないはずだ。

となれば、ギリシャの銀行が保有しているユーロ(現金)を元にして、その範囲内で発生可能な預金を利用してユーロを流通することは可能だろう。ECBとは切り離されるが、ギリシャ国内におけるユーロを使った取引は継続できることになる。外国との取引も、ユーロでの支払いこそ難しいだろうが、ユーロを受け取るのは普通にできる。ギリシャ人の預金は、引き出しこそできないが、維持できるのではないだろうか。

チプラス政権としても、ECBからの現金供給を停止された場合でもユーロが使える状態にあるわけだから「ユーロ圏に留まる」という大義名分は立つ。そのうえで、銀行業務を停滞させないためにドラクマも発行できる。

こんな状態でドラクマを同時に流通させるとどうなるのか?いや、これは面白いぞ。こんな事態は一生でも二度と見られないだろう。ハレーすい星よりも見られる可能性は低いぞ。

二種類の通貨を使用する国の誕生だ。まあ、昔のソビエトなんかでは、闇経済でドルが流通してたとかいうから、意外とうまく機能したりしてw。