2015年7月5日日曜日

ギリシャの庶民に罪はない デフォルト

ネットのコメントなどを見ると、ギリシャ人を責める言葉に溢れている。しかしギリシャの債務デフォルトはギリシャの庶民に罪はない。普通に生活していただけの人々なのだ。一括りにギリシャ人として「責任はお前らにある」などとは言えない。

たとえば日本の政府の借金1000兆円は日本の庶民に責任があるのか。日本人の多くは真面目に仕事をして、普通に生活していただけなのに、その間に政府が勝手に国債を発行して借金の山を作ったのである。日本の庶民に責任があるのか。

たとえば、日本のバブルとバブル崩壊は日本の庶民の責任か。あの当時の日本人の多くは真面目に仕事をして、普通に生活していただけであり、一部のカネに目がくらんだ連中が資産ころがしをやって日本経済を破綻させた。それに庶民はいやおうなく巻き込まれる。

1929年の世界大恐慌の時もそうである。普通に毎日仕事して生活していた人々が、ウォール街が作り出した巨大バブルの崩壊に巻き込まれ、仕事を失い、農地を奪われ、貧困のどん底に叩き落とされたである。それどころか世界中がその余波で恐慌になった。その責任はアメリカの庶民にあるのか。

ギリシャも同じだ。ギリシャの債務発行で発生したカネはどこへ行ったのか?ギリシャ債務デフォルトで苦しんでいる人がいる裏側で、カネを儲けた奴がたくさんいるのだ。しこたま貯め込んだ奴がいるのだ。そのツケをギリシャ庶民が払うのである。怒るのは当然なのだ。

日本人は甘すぎる。政府が勝手に1000兆円も借金を作って、マスコミがそれを庶民の借金だと言えば、大人しく消費税の増税に従う。ギリシャ人が聞いたら驚くだろう。

もちろん、最大の間違いはギリシャがユーロに加盟したことにある。本当に責められるべきは、この判断をした連中だ。それこそが今日のギリシャ問題の核心であり、ギリシャがユーロから離脱しない限り、この悲劇は繰り返される。