2015年7月9日木曜日

ギリシャと日本 債務の原因が違う

ギリシャ問題をダシにして「財政再建」の話が御用学者からゾロゾロ出てくるに違いありません。そこで新聞や御用学者に騙されないよう、ギリシャの債権と日本の債権(国債)は原因が全然違う点をしっかり認識しておく必要があると思います。

ギリシャの債務の多くは、ギリシャの労働人口の25%を占めるという公務員や、若年の年金生活者への支出が財政を圧迫したために生じました。この債務の受益者は公務員や年金生活者だったわけです。ですからこうした受益者に負担をしてもらうのはある意味で当然で、ギリシャにおける公務員の給与削減や年金制度の見直しは避けられないでしょう。

日本の債務の多くは、社会保障ではなくバブル後の巨額の公共投資です。それは景気を下支えする効果がありましたから国民が受益者のように吹聴されますが、直接の受益者は「建設業界」と「金融業界」です。バブル崩壊後、含み損が積みあがった建設業界は瀕死であり、その建設業界に多額のカネを貸していた銀行も瀕死だったわけです。ここに投入された莫大な公共投資によって建設と金融が救われたのです。その財源が「政府の借金」だったわけです。

ギリシャの負債の受益者はギリシャ国民(公務員と年金生活者)であり、日本の負債の受益者は企業(建設業と銀行)なのです。これは極めて大きな違いであると思います。

ですからギリシャと違い、日本の場合は、債務によって立ち直ることができた「企業」こそ、その債務を返済すべき立場にあるのです。

ところがマスコミは異口同音に「これは国民の借金じゃー耳をそろえて払え」と主張します。冗談ではない。これは国民の借金であると同時に債務の直接の受益者であった法人の借金でもあるのです。なぜ法人の増税はスルーして直接の受益者でもない国民ばかりが返済するのか。これはマスコミが仕掛ける詐欺である。

そのうえ、マスコミは「新聞の軽減税率」をまるで当然の権利であるかのごとくに主張しているのである。新聞の軽減税率は断固反対。新聞の消費税は倍返しの20%にすべきだ。