2015年9月10日木曜日

わがままな「企業の人手不足」?

企業の人手不足が深刻化している~などとマスコミが言えば、多くの人が「そうなのか、だから外国人労働者も必要なのか」なんて信じてしまうかも知れません。ところで、失われた20年のデフレ不況で失業率が高かった時期には巷でこんなことが言われました。「失業者が就職できないのは労働者が仕事を選んでいるからだ、働く気があれば仕事なんていくらでもある」なんて具合です。

ふと、そんな過去を思い出してみると、いまの人手不足についてこう考えたりします。「人手不足は企業が人を選んでいるからだ、採用する気があれば人はいくらでもいる」というセリフです。中高年になると就職希望で会社に履歴書出しても、ほとんどそのまま送り返されてしまいますからね。人手不足という表現は少し言葉が足りなくて、「若くて優秀な」人手が不足しているという話であって、企業が人を選んでいるんですね。そりゃあ当然じゃないかといえば当然ですが、昔は「不況の時代に失業者が仕事を選ぶなんてとんでもない」式の考えがありましたから、じゃあ、人手不足の今は「企業が人を選ぶなんてとんでもない」式の考えだって成り立つはずです。

実際にはそんな単純ではないんですが、むかしと同じ方式で逆に言えばそうなるんじゃないか~という冗談です。

結局のところ企業の求人が増えれば「若くて優秀な人手」が不足するのは当然であり、それを国内人材の活用に活路を見出すのではなく、外国人労働者の受け入れで安易に対応しようとすれば、失業者は減らず、高齢者の生活保護も減らないと思います。