2015年10月20日火曜日

エイリアンは地球を侵略するか

ニュース記事によると、最近、かの有名な物理学者であるホーキング博士が「エイリアンが地球を侵略するだろう」と発言して物議を醸しだしているらしいです。

「エイリアン上陸…人類を大虐殺に」 ホーキング博士の警告に科学者騒然!
(産経ニュース)

博士は「高度な文明を持つエイリアンは、自分たちが征服して植民地にする惑星を探すため、(宇宙を徘徊(はいかい)する)遊牧民のようになるからだ」と指摘したそうです。純朴に宇宙人との友好的な交流を楽しみにしていた他の研究者は、さぞかし仰天して、絶句したに違いありません。そんな場面を想像してみると、思わず笑ってしまいます。夢に浮かれた状態から現実世界に引き戻された感じです。

可能性としては二つのケースがあるのではないでしょうか。

一つは博士の指摘するような危険性です。もしエイリアンが現在の人間と同じ資本主義の経済システムで動いているとすれば、間違いなく地球を征服して植民地化し、利用し尽くし、資源を使い尽くすに違いありません。そして奪い尽くすと、次の星系へと移動してゆくわけです。現在の人間の経済システムは欲望のままに資源を浪費して、膨張を続けています。そのため、常に資源や富を必要としています。こんなエイリアンが来たら地球は間違いなく破滅でしょう。

もう一つはまったく危険の無い場合です。たとえば極めて高度な技術によって、資源を完全にリサイクルし、完全自動化された巨大な生産システムを持っているエイリアンです。彼らに必要な資源は太陽エネルギーだけです。資源は完全リサイクルですし、生産は自動生産されているので、経済システムは完全に完結しています。このようなエイリアンは、地球の資源も富も労働力も必要としません。つまり侵略する必要が無いのです。

このような視点は、エイリアンの侵略の可能性だけでなく、人間の進化の進むべき方向性を考えるヒントになるかも知れません。現在の大量生産・大量消費の経済システムを続けていれば、人類は博士の指摘するように「自分たちが征服して植民地にする惑星を探すため、宇宙を徘徊する遊牧民のようになる」しかありません。人類はそのようなシステムからそろそろ卒業し、後者のような、完結型の経済システムを目指すべき段階に来ている気がします。

すでに現代の社会は、1%のエイリアンによって99%の人類がカネの力で支配されている世界ですから。