2015年10月23日金曜日

新自由主義は「極右思想」の社会実験

ちょっと強引ですが、新自由主義経済の位置づけについて書いてみます。世間ではイデオロギー的に右は資本主義、左は共産主義とされますが、対立軸をもう少しくわしく設定します。軸は右側が「自由放任・カネによる社会の統治」で、左側が「政府による管理・権力による社会の統治」です。この軸で分類すると、

極右 新自由主義
    ケインズ主義
    社会主義
    共産主義
極左 毛沢東・スターリン主義

のように並ぶような気がします。新自由主義が「極右」で、毛沢東・スターリン主義が「極左」です。新自由主義は自由放任であり、すべて神の手つまり「成り行きに任せる」わけです。そして公共の概念を弱め、インフラや福祉に至るまですべて民間で行うべきと考えています。資本主義的経済原理すなわち利潤を動機として社会を完全に統治する考えです。

一方で、スターリン主義は完全に政府が経済を管理しました。そして、一党独裁で異論者をすべて抹殺し、絶対的な権力で社会を統治しました。ここでは利潤を動機として一切認めませんので、社会は権力者の意思によって統治されます。

あとは人によって考えが違うでしょうが、ケインズ主義は資本主義の欠点をカバーするために、公共つまり政府による管理を取り入れていますので、左にシフト。社会主義は市場経済や自由競争を否定していませんので、共産主義から右へシフト。共産主義は微妙です。なにしろ共産主義の国はほとんど消えてしまいましたので、穏健的な共産主義がどういうものかよくわらないわけです。どちらかといえば、社会主義に吸収されるような気が・・・。

このように分類してみると、極右がナチスであるという世間の見方は、不自然かも知れません。政府による管理と権力による統治の状況を考えると、むしろナチスは極左にとても近い性質のものではないかとさえ思えるのです。ですから、極右と極左の再定義を行う必要があるかも知れません。極右=ナチスではなく、極右=新自由主義なのです。世間の常識を変えたいですね。

さらに考えると、新自由主義は共産主義と同じような「壮大な社会実験」なのかも知れません。これを「誰かが仕掛けている」と主張すると陰謀論になりますが、そうではなく、結果として社会実験になる恐れがあるという危惧です。

極左であるスターリンとソビエトは、壮大な社会実験を行って失敗し、多くの不幸を生み出しました。そして今度は極右である新自由主義が「自由放任・カネによる支配」という壮大な社会実験を行いつつあり、やがて多くの不幸を生み出すことになるのではないか。

新自由主義は極右思想であり、
その極右によって新たな社会実験が進行しつつある。
そんな気がします。