2015年11月27日金曜日

アサドと反政府の停戦が最優先

シリア情勢を巡ってトルコとロシアの対立がますます激しくなりそうな気配だ。報道によればシリア国境付近でロシアの戦闘機がトルコの車両を攻撃して十数名の死者が出た言われている。どう考えても報復であり、これは非常に大きな問題だ。プーチンは危険すぎる。

シリア国境付近でのロシアとトルコの衝突の原因はその付近に展開する反政府勢力の存在です。この反政府勢力をトルコが支援しており、それを攻撃するロシアとの間で衝突が生じていると考えられます。アサド政権と反政府勢力の戦闘を停戦させない限り、こうした衝突は今後も発生する危険性が高いでしょう。アサド政権と反政府勢力の戦闘を停戦させ、同地域を飛行禁止空域に指定するなどして、両軍の接触を避けるべきです。

このままではシリア情勢は泥沼化が必至です。

2015年11月26日木曜日

集団的自衛権が効果を発揮したトルコ

トルコの国境に侵入したとされるロシアの爆撃機をトルコの戦闘機が撃墜した。衝撃的な事件だが、ロシアはトルコに対してシリア領内に対空ミサイルを配備する対抗策を講じるものの、報復的な戦争は望んていないと発表した。

これは憶測だが、この事件の原因には、おそらくロシアがトルコを甘く見ていて、トルコ領内に侵入した後も警告を無視し続けたことがあると思う。ロシアの軍事力から見れば、トルコなど相手にならないから、傲慢な態度に出たのではないか。

撃墜事件のを受けて、もしトルコがNATOに加盟していなければ、ロシアがどのような対応に出たかは微妙だ。直接戦争にならなくても、同空域に多数の戦闘機を飛ばして挑発する可能性もある。もちろんトルコの戦闘機を撃墜するためだ。あるいは中国共産党が「ベトナムを懲らしめる」と言って、一方的にベトナムに侵攻したような事件と同様の紛争に発展する可能性もある。

集団的自衛権によってトルコが守られたわけだ。

集団的自衛権による安全保障と言っても、軍事力の差が担保する。米軍と欧州全てという圧倒的な軍事力を有するNATOと戦争するのは自殺行為だとロシアは判断する。逆に軍事的弱小国ばかり集まった安全保障は、それこそ戦争に巻き込まれる恐れがある。東南アジアは軍事的な弱小国が多いので、安全保障は米軍を核としたものに頼らざるを得ない状況だ。

そもそもロシアに対抗するためにNATOが作られたわけで、アジアでは中国に対抗するための軍事同盟が必要となる。しかし現在の東南アジアの軍事力では、まったく力不足と思われる。安全保障は圧倒的な軍事力差が必要なので、日本はNATOとの安全保障の関係についても、積極的に検討すべきなのではないだろうか。

2015年11月25日水曜日

過剰な設備投資の問題は負債

バブル期には必ず過剰な設備投資が問題になります。中国においても過剰な設備投資の調整が今後、かなり長期的に行われると予想されています。それにより中国は長期低迷を避けられないでしょう。

ではなぜ、過剰な設備投資が問題なのでしょうか。それは「負債の膨張」にあります。設備投資を行うために銀行などから借り入れをすると負債が膨張します。そしてその借り入れ元金と金利を返済しなければなりませんが、そのためには設備が生産した商品を販売して利益を得なければなりません。ところが、国民の購買力以上に設備が作られてしまうと、供給過剰となって商品が値崩れし、利益を確保できなくなります。すると負債が返済できずに破綻します。その結果、経済に悪影響を及ぼします。

しかし、もし、設備投資が負債ではなく、政府通貨などのような負債によらない通貨調達だった場合はどうか?負債を返済する必要がありませんから、もし過剰投資だったそしても、大問題にならないでしょう。もちろん、インフレなどの問題は発生しますが、過剰投資そのものが経済の低迷を引き起こす原因とはならないはずです。

長期停滞の時代における投資とは、どうあるべきなのでしょう。

2015年11月24日火曜日

予期せぬ事態を配慮すべき

最近の政治はどうも「予期せぬ事態」への配慮が足りない気がします。世の中は理屈通りに動かかない場合が多いので、理に走りすぎると足元をすくわれます。理屈は正しくても、必ず予期せぬ事態が必ず発生するからです。

たとえば消費税の増税。消費税を8%へ引き上げる前までは順調に回復してきた日本経済が、消費税の増税と同時に低迷を始め、なんとマイナス成長に落ち込む事態に。増税前に「消費増税の影響は軽微」などと主張していた御用学者は、一斉に「これは消費税じゃなくて中国の景気減速の影響だ」と言い出した。

しかし中国だろうと何だろうと関係ない。結果として消費税の増税後に日本経済が落ち込めば、明らかに失策だ。なぜなら「マイナスの相乗効果」があるからです。仮にデフレが十分に脱却してインフレ目標が達成したあとで増税するなら、中国の景気減速の影響も軽減されたことは想像に難くありません。つまり、予期せぬ事態をまったく無視して、理論だけで増税するからこうなる。

こうした傾向はますます増えているような気がします。たとえば国土強靭化についても、バラマキだと言って反対する識者が多数いるようですが、大震災が予想外に大規模だったらどうするんでしょうか。TPPによって農業などの関税を廃止してしまうことで、予想外に農業がダメージを受けたらどうするんでしょうか。

予想外の問題が発生した時に「これは予想外だったから仕方ありませんね」と役人が言えば済むのか?冗談じゃないです。


2015年11月23日月曜日

農業のコストダウンは農業従事者を減らす

農業のコストダウンは農業従事者の人口を確実に減らすと思います。なぜかと言えば、それは「農業のリストラ」だからです。よく「企業がリストラする」といいますが、なぜそうするかとえいば、コストダウンするためです。つまり人手を減らせばコストダウンします。

ですから、農業のコストダウンをするならば、それは農業の人手を減らすことであり、農業従事者が減少することを意味します。

農産物の関税を撤廃すれば、海外から安い農産物が流入することは間違いありません。その時に日本の農業が生き残る方法は、日本全体から考えると、大きくは二つしかないと思います。それは、

(1)コストダウン(リストラ)
(2)新たな市場の開拓

大規模農業化とは(1)に該当します。昔の囲い込み運動(エンクロージャー)に近いかも知れません。農業への異業種参入もこれが目的だと思います。この場合は農業従者をリストラすることでコストダウンを図ります。

いわゆる「高付加価値化」は(2)に該当します。高付加価値化といえば聞こえが良いですが、やることは新たな市場の開拓です。つまりコストダウンするのではなく、販売価格は高いまま、高く売れる市場(海外の富裕層など)に売り込む方法です。必要なのは市場調査と、その市場のニーズにあわせて農産物を生産することです。

(1)の方法は農業従事者はリストラで減りますが、食料自給率は確保できます。
(2)の方法は農業従事者は生き残りますが、食料自給率は低下します。

なんか、究極の選択のような・・・・。


2015年11月20日金曜日

バブル経済だったらその方がマシ

現在の日本の株価を見て「バブルだバブルだ」との意見が聞かれますが、確かに株価はバブルでも、まったくバブル経済になっていないと思います。企業の投資が伸びず、その結果として借入があまり増加していないからです。

バブル経済は単に株や土地などの資産が上がるだけではないはずです。資産価格の上昇を担保として企業が借り入れをどんどん増加させ、投資が増加することのはずです。信用膨張によって膨張したおカネが投資に回るために景気が爆発的に良くなります。そのため借金が増えれば増えるほど景気が良くなります。

しかし今は企業が借金しません。投資もしません。これじゃあ、資産価格が上昇しても、それは株や土地だけの話で終わりですよ。本当のバブルなんかじゃない。株が上がっても景気が良くならないのはあたりまえです。

企業がカネを借りずに、いったい誰がカネを借りるのか?
家計が借りろというのか?
こんなことだから、政府の借金が減らないんだ。

企業がカネを借りまくって投資するバブル経済の方が、まだましかも知れません。

2015年11月19日木曜日

攻めの農業に意味はあるか

攻めの農業というワンフレーズがマスコミで踊っているが、果たして攻めの農業には意味があるのでしょうか。もちろん最終的には農家の方が決めることですから、部外者がいろいろ言っても始まらないのですが。

攻めの農業のアウトライン的な資料をネットで引っ掻けて見る限り、農産物の輸出に相当の力点が置かれているように思われます。単純に言えば、日本の農産物は国内では高く売れないので、海外で高く売れという話です。市場原理から言えばまったく正解ですが、それが日本の農業のあるべき姿なのでしょうか。日本の農家が作った農産物を外国の富裕層が食べる。そのかわり日本の大衆は外国から安い農産物を輸入して食べる。それに違和感を覚えるか、覚えないか、価値観の違いがあるかも知れません。

農産物のブランド化、高付加価値化は以前から推進されていますが、これは農業がいくらがんばっても、市場がデフレ不況だと売り上げは伸び悩むことになります。現代社会はますます富の再分配機能が低下して格差が拡大しており、中間所得層の減少によって高付加価値商品の市場は縮小傾向です。富裕層の市場は「量」が小さいため、自動車などと違って農産物のように「量」で売る必要のある商品には不利でしょう。所得の構造的な問題が解決しないと、この攻めの農業はあまり通じないかも知れません。

攻めの農業の考えのベースはあくまでも現在の市場システムに適応することを前提としており、農産物の商品化を徹底的に推進する姿勢です。そして工業製品と同じように、商品としての採算性が取れなければ倒産・廃業は当然とする立場です。

こうして日本の農産物が徹底的に商品化されるなかで、世界の人口は今も爆発的に増加し続けており、将来的に世界の食料資源が枯渇する恐れがあることを忘れてはならないと思うのです。その時になって「日本の農業政策は正しかった」と言えるのか?それを心配しています。

2015年11月18日水曜日

辺野古移設は当然の措置

米軍基地の辺野古移設に関する政府の対応について沖縄県知事が横暴だなどと発言しているが、横暴なのは知事の方ですね。国の国防と外交に関して過剰に干渉するのは、露骨な越権行為だと考えて良いと思います。

たとえ国防と外交に関連する事項であっても、地元住民への配慮が必要であることは当たり前です。しかし、配慮することと移転を中止することはまるで次元が違う。移転を行うことを前提として最大限の配慮を行う必要があるのであって、その配慮の内容について県が国にさまざまな注文を付けるのは何の問題もないわけです。国防と外交に関する最終的な責任は国が負うものであり、判断は国が行うのは当然です。もし沖縄県が日本の国防と外交の最終責任を担う立場であれば話は別ですが。

ですから、これは裁判になろうがなんだろうが、話になりません。無理が通れば道理が引っ込むことになります。辺野古への米軍基地移設に際して、移転以前よりも住民の危険性や不利益が著しく増加するとか、一部の住民に補償不能な甚大な損害を生じるなどの理由がない限り、司法がこれを中止することはあり得ないと思います。

日本は法治国家ですから、住民感情だけで政治を動かすことはできません。権限と責任の整合性のとれた方針として反対運動を動かすのでなければ、およそ「ソフトな暴動」にずぎず、民主主義は成立しないと考えられます。

2015年11月17日火曜日

ブラック・ビジネスモデルに依存する日本

ここ最近の報道によれば、失業率が改善しているにもかかわらず賃金がほとんど伸びていないという。もちろん正規雇用の割合が50%を切るなど、非正規雇用の増加が賃金の伸び悩みの背景にあるとの考えもある。だから当たり前だ思っているなら間違いだろう。正規雇用が増加しないことを問題とすべきだと思う。

こうした現象は何を意味するのだろうか。最近ニュースでは、相変わらずブラック企業、ブラックバイト、外国人研修生の低賃金労働などが報じられる。つまり日本にはブラックな企業が相変わらず多いことを意味しており、こうした報道は氷山の一角に過ぎないのかも知れない気がします。

つまり、日本の企業の多くがブラックであることを経営の強みとする「ブラック・ビジネスモデル」を採用しているのではないかと疑いたくなります。元祖ブラックのワタミ、すき家は従業員に低賃金で長時間労働を強いることをビジネスモデルにしていたわけです。そして競争に勝ち残ってきた。

もしかすると、20年にも及ぶデフレ不況によって、日本のビジネスモデルの基本が「ブラック・ビジネスモデル」に染まってしまったのかも知れません。これが日本のバブル期の人手不足の時代とは根本的に違うのではないでしょうか。昔はバイトの方がむしろ給料が良かったほどです。つまり賃金が伸び悩む理由は、「正社員・非正規社員」の問題ではないかも知れないのです。

本来あるべきビジネスモデルは、新たな付加価値を生み出すことにあるのであって、ブラックによる低価格を武器にすることではないはずです。しかし20年にもおよぶデフレ不況によって、日本の企業の基本的な考え方が、「苦労して付加価値を生み出す姿勢」という企業本来の姿を忘れ、それよりも、安易に「ブラックによって低価格競争で生き残る」ことに変化してしまったのかも知れません。

そんな気がします。

2015年11月16日月曜日

学校教育の根本的な検討が必要

果たして日本の教育はこれがらどうすべきなのか。いじめによる自殺は後を絶たず、いじめの問題は一向に解決する様子がない。また少年による殺人事件など凶悪な犯罪も発生するようになった。少年の凶悪犯罪は刑法の厳罰化では防げないとする主張がある。また、働く女性が増えるなどの社会環境の変化により、家庭内での教育が希薄化している現状は否定できない。こうしたことから、ますます学校教育の重要性が増している。

一方で、教員の労働環境が劣悪であり、残業や休日出勤、自宅への業務の持ち帰りなどが日常化しているといわれている。これでは優秀な教員を確保するのはますます難しくなるのではないだろうか。報酬も、株式や不動産を転がしていたほうが、はるかに良い。安い給料で重労働して責任だけ負わされる。バカバカしくなるのではないだろうか。

ところが財務省は教員の数が多いから、削減せよと強硬に主張している。本当に教員の数が多いのであれば、教師の労働負担は減少し、また個々の生徒への指導頻度も増加して、いじめなどの問題にも適切に対処できているはずだ。だが実際にはそうではない。こんな状態で、「カネがないから」という理由だけで教員数を削減すればどうなるか?悪い方向に向かうことだけは間違いない。とはいえ、単純に教員数を増やせば課題が解決するとも考えられない。

もっと根本的に学校教育について検討していただきたい。

2015年11月13日金曜日

マイナンバーと共に資産課税の導入を

賛否が交錯しているマイナンバーだが、自分はマイナンバーそのものにはほとんど無関心です。しかしマイナンバーと同時に資産課税を導入するのであれば、賛成したい。

マイナンバーによって個人の預金口座が明確になるらしいが、さらに拡大して金融資産や不動産登記にまでマイナンバーを広げると資産の把握が可能になります。するとピケティ氏が主張していた「資産課税」の可能性が現実味を帯びてくるからです。

ピケティ氏の資産課税のアイディアを否定する理由として挙げられていたのが、個人の資産を把握することが現実的に難しい点でしたが、マイナンバーを拡大すれば、資産の把握はより可能になります。そもそもサラリーマンの所得は完全にガラス張りであり、隠すような資産もありませんから、庶民にとっては問題は無いでしょう。

おまけに、資産に課税するといっても、庶民の微々たる資産に課税されることはありません。資産総額なら例えば1億円以上、金融資産なら3000万円以上とかにすれば、働き盛りの現役世代はほぼ無税です。もちろんこれはおおよその話です。

資産課税を導入して、消費税をゼロに減税します。
貯め込むより、おカネを使わせます。
これならマイナンバーに賛成。

2015年11月10日火曜日

消費者の利益というエゴ

最近のニュースではTPPで輸入農産物が安くなるとの報道が多くなっています。番組では、たいがいスーパーで主婦を捕まえて「牛肉が安くなるそうですが、どう思いますか」などの質問をして「主婦としては値段が安くなるのはありがたいです」「消費者としては歓迎です」と答える映像が流れ、消費者のメリットが強調されます。しかし、同じような映像をどこかで見たような・・・・。

数年前のニュース番組でも主婦を捕まえて「デフレで物価が下落していますが、どう思いますか」との質問に対して「物価が安くなることは良いことです」「消費者としては歓迎です」のように答える人々が画面に映し出されていたと記憶しています。

結局のところ、構図は同じであって、「一部の人が犠牲になることで他の人が得をする構図」なのです。TPPの場合は農家や畜産業者が倒産し、デフレの場合は不況で労働者がリストラされ、そうした一部の人の生活の破壊が消費者の利益になっている。そして大多数の人は当事者になる心配がありませんから、安く買えるというメリットしか理解できないわけです、残念ですが。

なので、ああいうインタビューはあまり好きではありません。

2015年11月9日月曜日

無料のブラウザゲームは嫌い

最近はブラウザで簡単に遊べるゲームが無料で大量に供給されています。いくつかやったのですが、いずれも始めるとまもなく飽きてしまいます。というか、ストレスが溜まるんです。

無料と言ってもアイテム課金です。基本的にプレイヤーからおカネをどうやって取るかという話になります。種類によっても違うのでしょうが、ブラウザゲームの多くは、だいたい「行動値」みたいな概念があって、ゲーム上で何か作業を行うと、この行動値が減って、ゼロになると何も作業が出来なくなる。行動値は時間と共に回復するのですが、これが遅いのなんの。

ゲーム開始の初期のころは、作業に必要な行動値が小さいからまだ良いのですが、ゲームが進むにつれてシビアになり、「作業する→待つ→作業する→待つ・・・」を延々と繰り返します。この待つのが自分には無理のようです。もちろん、おカネを払えばすぐに作業できるのですが、この課金のやり方が肌に合わないんです。

なので、カジュアルなゲームでも、無料じゃなくて、500円以下の固定料金のほうがありがたいですね。とにかく「待つ」のは無理です。性格が短期集中なのかも知れません。まあ、確かに試験勉強は短期集中でしたから。

2015年11月6日金曜日

TPP 環境と人権配慮に注目

TPPに環境と人権に対する配慮が盛り込まれるとの記事があった。曰く「政府や企業が人権や環境など社会的責任に配慮しながら成長する「21世紀型の経済ルール」」だそうな。それが単なる批判をかわすための、美辞麗句に近いモノなのか、あるいは効果の高いモノなのか、今後の詳細発表に注目したい。

グローバル化、ボーダレス化にはさまざまな暗黒面があるが、環境と人権もその一つだ。途上国の環境(公害だけでなく自然破壊や景観を含む)を犠牲にした工場建設と、低い人件費によって製造コストを抑えた商品が先進国に輸出され、先進国に産業空洞化と失業率の悪化をもたらせている。こうした問題に対して、途上国に強力な規制を加えることができれば、ある程度の効果が期待できると思われる。

規制は何でもかんでも廃止すれば良いのではなく、そんなことをすれば「無法社会」になるだけである。環境及び労働に関しては、先進国と途上国の規制のレベルを合わせるべきだ。とりわけ賃金に関して言えば、先進国と途上国における物価差はやむを得ないとしても、それこそ先進国と「同一労働・同一賃金」を適用すべきだ。それが人権に配慮するという意味だ。

そうした意味でTPPがどれほど本気で環境と人権に配慮したのか詳細が気になるところだ。おそらく、批判逃れの「お座なり」に過ぎないのではないかと思うが。


2015年11月5日木曜日

南沙諸島 経済制裁まで踏み切れるか

このところ、南沙諸島におけるアメリカと中国の対立がいよいよ本格化してきた。中国は吠えているだけだが、この先、場合によっては人工島のさらなる拡大や、軍事基地化を推し進める可能性がある。あるいは他国が領有を主張する島や環礁に中国が軍艦を派遣して圧力を加えるようになる可能性もある。日本の尖閣諸島のように、漁船や公船が押し掛け、中国の領有を主張するかも知れない。もし中国がそのような行動に出た場合、アメリカはさらに強い姿勢に出る覚悟があるのだろうか。

覚悟と言っても、アメリカが軍事行動をエスカレートすれば非常に大きな危険を伴うので現実的ではない。普通に考えれば次の段階は経済制裁、金融制裁だろう。アメリカはそれをやるだけの覚悟があるのだろうか。ロシアがクリミア半島を併合し、ウクライナに干渉した際には、何の躊躇もなく、即座にロシアへの制裁に踏み切った。アジアの地ではどうなのだろう。

もしアメリカが弱腰であるなら、日本の国防政策が大きな転換点となることは間違いない。核武装も含む、より強力な防衛力が必要となるからだ。経済的負荷が増加するので、できれば国防予算の伸びを抑制すべきだと思うが、もしアメリカが本気でないなら、日本の軍備強化は避けられない。今後のアメリカの対応に極めて大きな関心があります。

2015年11月4日水曜日

再婚禁止期間 男性も6か月にすれば

女性の再婚禁止期間が6か月と定められていることが、女性差別であるとの話が出て、裁判沙汰になっているようです。それなら、男性も再婚禁止期間を6カ月にすれば良いのではないかと思うんですよね。別に男性が再婚を6か月できなくても困らないと思いますが。

女性の再婚禁止期間を廃止するのが問題なのだとすれば、そっちはそのままにして、男女平等の観点から考えれば、男性も同じ処遇にすれば差別はなくなるわけで。その方が話が簡単で良い気がする。

2015年11月3日火曜日

杭工事 不安を煽る報道はダメ

旭化成建材による杭工事の検査データ不正問題で、世間が大騒ぎになって居ます。確かにこれは大きな問題であり、不正を行った工事担当者と管理責任者である旭化成建材は厳しく責任を追及されねばなりません。

しかし、各地で次々に発覚している不正工事の案件をTVで報道する際に、必ず住民のインタビューが放映されるのですが、全員口をそろえて「不安です、不安です」と発言します。おそらくインタビューした人のすべてが不安を口にするわけではないでしょうから、不安を発言した人の映像を選んで使用していると思われます。これでは世の中の不安を煽るだけです。

ハッキリ言って危険性はほとんどありません。今回の問題は建物が沈下して傾く危険性ですが、これは建物が完成した直後から始まる現象ですので、現在において沈下していない物件が、新たに沈下を始める可能性は極めて低いと言えます。もちろん巨大地震のような外圧が加えられた場合にまったく影響がないとは言い切れませんが、杭の2~3本が支持層に届かなかったとしても、建物が倒壊するとは考えられません。つまり居住者の安全性には何の問題もありません。

もちろん、これは建物の瑕疵ですから、損害賠償の対象になるでしょう。分譲マンションであれば購入者は資産を棄損されたのであり、怒るのは当たり前です。しかし学校や公営住宅などの施設は建物の瑕疵によって建物の利用者や居住者が瑕疵による直接の損失を被ることはありません。居住が不安になって騒ぐ必要はないのです。

にもかかわらず、不安の声をことさら取り上げて報道すれば、社会不安を煽るだけです。物価高のニュースも似たような傾向があります。インタビューされた人が口々に「モノの値段が上がって大変です」と言う。するとテレビを見た人は大変な気分になるのです。これが不必要な買い控えに影響する可能性は十分あります。同様に、建築に関する不安を煽れば、必ず不必要な動きに繋がります。

もちろん、杭データの不正は大問題であって、責任の追及と厳正な処分、そして再発防止が不可欠であることは間違いないのです。ですが、そこはきちんと区別して考えないと、社会に不必要な混乱を招くことは間違いないと思うのです。


2015年11月2日月曜日

二大政党制は理想的民主主義なのか?

新聞マスコミには二大政党制を歓迎するような意見も散見されます。しかし二大政党制は、彼らが言うような理想的な民主主義を実現するとは思えません。

人々の価値観や意見は多様であり、その多様性は今日ますます大きくなっていると思います。そのような多様な考えを白か黒かのような二つに分けて考えることは不可能です。結局のところ、有権者は妥協を迫られます。もし政党が4つあれば、有権者が妥協する程度はより小さくなります。しかし、二つしか無ければ、ほとんど民意と言えないほどの妥協を強要されることになります。

たとえば、二大政党制だったとして、両方の政党とも「消費税を増税すべきだ」と主張する事態となれば、どのような民意であれ、必ず消費税は増税される結果となることが投票前から明白です。もし政党が4つあれば、そのうち一つでも「消費税は増税しない」という政党があれば、民意は反映されます。そうしたことは、安保法にしろ、TPPにしろ、多々あるわけです。

二大政党の場合、例えば何者かが二つの政党を裏から工作して政治を操作することがより容易になります。もし4つの政党があれば、そうしたリスクは半分に低下します。

「二大政党制が理想的」のような話は、信用できませんね。