2016年1月6日水曜日

通貨発行益の反対は通貨貯蓄損?

通貨発行益という考え方があって、これは政府などが通貨を発行することで、通貨を発行した政府が利益を得られるという考えです。とはいえ、通貨を発行しただけでは必ずしも利益ではなく、事実上の益はその通貨を使用して財と交換した時に得られると考えられます。たとえば、発行した通貨をそのまま政府が金庫に貯め込むと、何の利益にもなりません。

では、通貨発行益の逆は何なのか?

文字通りに考えると、通貨廃棄損とか通貨消滅損になると思われます。とはいえ、実際に通貨を廃棄したり消滅させたりすることは、現実的にはありそうにありません。しかし、通貨を金庫に仕舞い込んで使わない場合、極端に言えば、壺に通貨を貯め込んで、地中に埋めた場合はどうなのか?それは、事実上の「通貨消滅」を意味すると考えられます。

ということは、貯蓄して死蔵されたおカネは消滅したも同じ。ゆえに、通貨貯蓄損という考えが成り立つかも知れません(思考の遊び)。

もちろん、貯蓄された通貨が「投資」されて再び世の中に出回るなら、そうしたことはあり得ません。経済成長期の日本や欧州ではそうでした。しかし今や「投資不足、貯蓄過剰」の時代となり、それが慢性化しつつあります。

世界的に「通貨貯蓄損」が蔓延しているような気がします。