2016年2月1日月曜日

マイナス金利 信用通貨制度は限界

金融政策はついにマイナス金利に突入した。数学的にはあり得る数字だが、ゼロならまだしも、貸しておカネを払うということは異常と言わざるを得ないだろう。つまり、現代の通貨システム(信用通貨制度)が限界に達しつつあることの表れだ。

現在の通貨制度では、通貨は「負債」として発行される。これはバランスシート上で確認すれば誰でもわかることだ。具体的には民間銀行からの「貸し付け」として通貨が世の中に供給される。これが信用通貨だ。そして日銀が金融緩和で行おうとしていることは、「銀行からの貸し出しを増やすこと」だ。つまり、銀行の貸し付け(すなわち負債)を増やすことで、世の中のおカネの量を増やそうとしているのだ。

この時に重要となるのが「金利」だ。貸し出し金利が低ければ低いほど、借り手はおカネを借りやすくなる。だから貸し付けを増やすために、金利を下げ続け、ついにはゼロになる。普通はそこで終わりだが、ついにマイナスになってしまった。しかし、マイナス金利をどこまで強化できるのか?もはや限界にあると言えるだろう。

すなわち「信用通貨」を増やすのは無理なのだ。
通貨を「負債」として発行するのではなく、
「資産」として発行すべき。

その方法は、すでに1930年代にいわゆる「シカゴプラン」として多くの経済学者が賛同した、あの方法である。アービング・フィッシャーの提唱した「100%マネー」だ。