2016年3月17日木曜日

反グローバリズムであって民族主義ではない

アメリカの予備選挙においてトランプ氏が高い支持率を得ている背景に、ナショナリズム(民族主義)があると主張する向きもあるようだが、それは間違いだ。金融街、資本家といった支配層(エスタブリッシュメント)によって推進されてきた「グローバリズム」に対する人々の怒りが爆発したものだ。だからこそ、共和党にも民主党にも今までにない動きが起きている。

グローバリズムは、完全自由貿易、金融の自由化、関税の撤廃、規制の廃止、あらゆる産業の民営化、移民推進など一連の動きだ。民族主義に関係するのはこのうち「移民推進」だけである。しかし反グローバリズムはこれらすべての動きに反対するものだ。

これは米国だけではない。全世界で支配者層によって推し進められてきた「グローバリズム」に対する反乱の声が高まっている。これを単なる「ナショナリズム」と考えるなら大きな間違いを犯すことになる。対処法を誤るからだ。人々に不幸をもたらしているグローバリズムを見直さなければ、反グローバリズムがナショナリズムへと変化する危険性があると認識すべきだ。このままグローバリズムをゴリ押しすれば、本当にファシズムが台頭するだろう。