2016年3月3日木曜日

トランプ大統領なら最大のチャンスかも?

米国の大統領予備選挙でトランプ氏の勢いが止まらない。このままだと本当に大統領になってしまうかも知れません。トランプ氏の過激な発言から「トランプが大統領になるのは最悪」との報道がマスコミでされていますが、そうなのでしょうか。

確かに、あのぶったまげた発言そのままに実行されては困るわけですが、方向性としてはアメリカ人の心情を理解できます。「他の国に関わっているより、自分たちの生活をなんとかしてくれ。」アメリカの支配層が貧富の格差を長いこと放置してきたわけですから、こうした人々が増えるのは当然でしょう。支配層にとっては身から出た錆です。

それじゃあ、本当にトランプ氏が大統領になったらどうするか。これは日本にとって大きなチャンスとなる可能性があります。戦後一貫して変えることが不可能だった日本の立場を根本的に変えることが可能になるからです。

一つは日本の核兵器保有です。これは国連における日本の立場を強化し、常任理事国入りの大きな前進となります。そもそも日米安保はアメリカの思いやりなんかではなくて、日本の再軍備を防止するためにアメリカが日本の軍備を肩代わりすることが目的だったわけです。そうでなければ一方的に日本を守る条約などする必要はなく、日本の再軍備を促して平等な軍事条約を締結するのが普通ですからね。もし日米安保を見直すのであれば、アメリカは日本を守る義務がなくなるわけです。日本は防衛力の強化が必要となりますが、当然ながら費用対効果から「核兵器の保有」は必須となります。こうした点をトランプ氏と議論し、彼はビジネスマンですから、アメリカの核ミサイルシステムを売ってもらいましょう。売ってくれないなら開発します。これが彼の言う「公平」ではないでしょうか。

一つは日本とロシアとの関係です。オバマ政権はロシアが大嫌いでしたから、安倍政権がロシアに接近することに強力な圧力をかけてきましたが、トランプ氏はプーチン氏を嫌っていません。これは日本がロシアとの関係を改善するチャンスです。北方領土に関しても大きな前進が期待できますし、対中国との関係においても、資源確保の観点からもメリットがあります。

一つは「過剰な自由貿易」を阻止することです。トランプ氏はTPPに反対しているようですし、中国には「関税45%掛ける」と息巻いているらしいです。いきなりこんなことができるはずもありませんが、方向性として「なんでもかんでも自由」なグローバリズムではなく、「それぞれの国情に応じて、それぞれの国が自由度を決める裁量性のある」グローバリスムへと転換できる可能性があります。

こうした変化は、クリントン氏やそのほかのアメリカの支配階層から出てくる政治家であれば、絶対に起こりえない変化です。彼らにはすでに超長期のプランが決まっており、それを変えるのは不可能だからです。超長期のプランを有しない、トランプ氏のような一般人の大統領が出たときこそ、唯一のチャンスだと考えられます。

というのは、もちろん「良い方向に進んだ場合」です。もしマスコミの言うように単なるアフォであれば、彼の言う「公平」の意味が、単なる「アメリカのご都合主義」に過ぎない可能性もあると思います。