2016年3月7日月曜日

マスコミは投資と投機を正しく使いわけるべき

これはずっと昔からそうなのですが、マスコミの報道では投機と投資という二つの用語の使い方があいまいです。投機なのに「投資」と呼んでいるケースがほとんどではないでしょうか。投資という用語は「資本を形成する」場合にのみ使うべきだと思います。よく株式投資などと言いますが、あれはほとんど「投機」です。会社が発行した新株を買うのが「投資」です。

新規発行の株式に投資した場合、そのおカネは会社に渡り、そのおカネを使って会社は生産設備を整えますから、資本が形成されます。この資本を用いて生産・販売活動を行って、その利潤が配当として還元される。これが投資です。

しかし、すでに発行されている株式を誰がいくらで売買しても、会社には一円も入金されませんから、資本は形成されません。これは投資ではなく「投機」と呼ぶべきでしょう。株式市場で新株が売り出されることは珍しく、ほとんどは既存の株を売買する「投機」です。

そして、投資と投機の社会的な貢献度はまったく違います。投資は社会における資本形成に関わりますから、社会に対する貢献度が高いのですが、投機は何も生み出さず、バブルを引き起こしてキャピタルゲインを抜くマネーゲームに過ぎません。

そうした違いを曖昧に報道することは、投機に対する世論の理解を歪めていると思うのです。