2016年4月28日木曜日

物質と反物質、おかねと国債の関係は同じ

物理学では物質(プラス)と反物質(マイナス)があるとされます。何もない無の空間から、物質と反物質が常に生まれます。そして物質は反物質が生まれなければ生まれる事はなく、そして最終的には物質と結合して無に帰します。これを対消滅といいます。

さて、管理通貨制度では、バランスシート上の無から、債権(プラス)とおかね(マイナス)が生み出されています。国債などの債権から負債としておカネが生まれます。つまり債権が無ければおカネが生まれることはありません。つまり多くのおカネは国債によって生まれています。そしておカネは国債を返済することによって、バランスシートから消えて無に帰します。国債を返済するとおカネは消えます。

国債はおよそ1000兆円あるといいますから、この国債によって生まれたおカネもおよそ1000兆円あります。もし財政再建して1000兆円の借金を返済したなら、世の中のおかねのうち1000兆円は消えてなくなります。おカネを消さない限り、国債の返済は理論的に不可能です。

900兆円ある家計の預金の多くが、実は国債から生まれたおカネなのです。国債を返済すればどうなるか?

だから国債をやたらに返済すれば良いわけではないのです。財政再建とは家計の預金を消滅させる行為なのです。では、家計の預金を消滅させないためにはどんな方法があるのでしょうか。それは日銀が国債を買い取ること、つまり「量的緩和」なのです。

そして、日銀が国債を保有し続ける限り、おカネが消えることは決してありません。家計の預金も消えません(信用収縮を除く)。