2016年6月1日水曜日

財政ファイナンスで勝利したリンカーン大統領

消費税の増税延期が決まって最悪の事態は回避されましたが、これからが正念場です。そこで期待されるのが「財政ファイナンスの活用」です。財政ファイナンスとは単なるイメージ用語で、実際には通貨発行によって財政支出を行うことです。新聞マスコミや常識に固まった識者が猛反対しているあれです。

ところで、財政ファイナンスの活用といえば、アメリカの有名な大統領リンカーンです。リンカーンは南北戦争に必要となる膨大な戦費を銀行・金貸しからの借金に頼るのを避け、通貨発行、つまり財政ファイナンスを用いることで調達しました。そしてリンカーンはその財源によって南北戦争に勝利したのです。

アメリカの奴隷解放は財政ファイナンスで実現した。

まあそれは半分冗談ですが、それにしても、もし南北戦争の際に膨大な戦費を借金で調達していたらどうなったでしょうか?巨額の財政赤字を抱える事になり、リンカーンはアメリカ国民に対して「国のシャッキンが―」と言いつつ、大増税をすることになったでしょう。そしたら、アメリカの英雄じゃなくて最低の「増税大統領」として有名になったかも知れませんよw。


(追伸)
もちろん、通貨を発行したことで当時はインフレになりました。借金返済による大増税は避けられましたが、インフレになったわけです。結局のところ、どちらが良いかというわけです。

当時の税制はよくわかりませんが、少なくとも現代の日本で考えてみれば明らかにインフレの方が庶民にとっては良いでしょう。日本では増税と言えば消費税ですから、逆進性が強く、富裕層よりも庶民の税負担が重くなります。インフレは貯蓄の価値を下げるため、富裕層ほど税負担が高くなります。

インフレも消費税も価格そのものを押し上げてしまいます。しかしインフレの場合はマクロ的に言えば同時に賃金も上昇しますが、消費税の場合は賃金は上昇しません。そしてインフレは通貨供給を止めれば止まります。