2016年6月28日火曜日

英EU離脱 金融依存の脱却カギか

英国のEU離脱は、英国の自主・独立性を高める上で画期的な判断でした。とはいえ、すでに長年のグローバル化によって、英国の経済は「依存体質」に変化しており、他国に依存しなければ経済が成り立たない状況に陥っていると考えられます。

英国の経済が「金融依存体質」になっていることが、それを示したていると思われます。英国は貿易赤字の国です。輸出より輸入の方がはるかに大きいのです。ギリシャのような国では、貿易赤字を続けていると、そのうち破綻してしまいます。しかし英国は金融街シティを有する金融の国ですから事情が異なります。

つまり、英国は外国にカネを貸し(融資、投資)、その金利収入を得て、そのおカネで外国の生産した製品を輸入して生活していると言えるでしょう。ですから、貿易赤字を継続しても破綻はしません。しかし、収入も生産も外国に依存することになりますから、外国なしには生活財が潤沢に手に入れられません。もちろん、それは極端な話であって、英国の製造業がまるでダメということではありません。金融に依存する傾向があるということです。

このような金融依存体質の英国にとって、実はグローバリズムは大変に都合が良かったと思われます。何しろ収入も生産も外国に依存するのですから、モノやカネが国境を超える際のコストはゼロの方が良いのです。そして、今までの英国はグローバリズムだったからこそ、金融に依存する体質を維持できたと思います。

英国がEUから離脱し、自主・独立を進めるなら、当然ですが金融依存の経済構造の見直しを迫られるものと思われます。つまり、自分たちの生活に必要な財の生産は自分たちで行い、おカネを自分たちの国できっちり回してゆく。現在の、いや、少し前の日本のような、貿易依存度の低い、内需の大きな、モノづくりのしっかりできる国にならなければならないと思われます。もちろん、貿易が不要という話ではありません。そういう方向性が必要だということです。

金融依存からの脱却は可能なのか?
それがEU離脱後の英国の行方を決めるような気がします。