2016年6月7日火曜日

ベネズエラ貧困化はグローバリズム依存が原因

ここ最近の資源価格の暴落により、資源国の危機的状況がニュースで伝えられます。産油国のベネズエラでは原油価格の暴落によって人々の貧困化が深刻だと言います。なぜこんなことになってしまったのでしょう。

それは、原油を輸出して人々の生活に必要な生活資材を外国から輸入することで経済を回していたためではないかと思うのです。グローバリズムの世界では、自国で生活資材を生産できなくとも、資源さえあれば資源を売って生活資材を調達できます。グローバリズムの世界では、自分たちで生産するよりも輸入した方が遥かに安く、質も高い財を手に入れることができます。

ですから、苦労して時間をかけ、自国の国民を教育し、インフラや設備を整え、技術やノウハウを蓄積し、産業を育成するよりも、輸入した方がはるかに早く国民生活を向上させることができます。そのため、資源輸出に依存しがちです。しかし、これが途上国の落とし穴となります

本来、自分たちの生活に必要な資材は自分たちで生産しなければなりません。必要なのは自国産業の育成です。しかしグローバリズムを受け入れると、自国の産業を育成するのは難しくなります。なぜなら、グローバリズムの主張する「関税の完全な廃止」をすれば、もはや海外から安くて質の高い製品の輸入を止めることはできなくなるからです。誕生したばかりの自国産業を市場競争から保護せずに育成することは、ほぼ不可能です。

途上国が国民生活を安定させるためには、グローバリズムから距離を置き、他国に依存しない自国内の供給体制を構築することが何より最優先だと思うのです。時間も苦労も必要ですが、最終的には堅実な方法のはずです。