2016年9月6日火曜日

「暗示」を最初に理解すべき

社会や経済の問題について考えたり、議論したりする場合、その前に、人間の精神構造を知り、自分を客観的に見ることができるようになる必要があると思われます。多くの場合、その人の無意識下に刷り込まれている「暗示」が、いわゆる先入観として、客観的な考え方を妨げてしまうからです。

暗示とは、思い込み、固定観念のようなもので、フロイトの超自我と呼んで良いと思います。これを常に意識して行動することはありませんが、意識するなら、心の中では「~~すべし」と命じてきます。そして、人間は無意識のうちの、この「~~すべし」によって意思を決めて行動します。

これの典型的な例が、韓国人にみられる反日です。彼らは反日教育によって、無意識の下に「日本人は悪人だ、すべて日本人が悪い」という暗示が形成されています。そのため、何かを見たり聞いたりすると、考えるより前に、反射的に日本に嫌悪感を抱き、客観的な思考を停止してしまうのです。そのため、思考が「反日ありき」になり、何を言っても、どんな証拠を示しても、結論は最初から「日本が悪い」と決まっており、その理由を探すことに必死になるのです。

これの最悪のケースはオウム真理教の洗脳です。洗脳されてしまった信者に、正常な理屈は通用しません。そして、常に自分たちに刷り込まれている暗示が絶対的に正しいと主張するのです。

暗示の一番の問題は、思考停止です。ダメと決めてかかったら、もう考えることなくダメと思い込む、あるいは「ダメな理由」を考えるようになります。もし財政再建は絶対だという暗示に支配されていれば、財政再建ありきでしか考えることができなくなります。

そして社会でこの暗示を人々に組み込むのが、教育、新聞マスコミ、学者、評論家などです。これらを信じ過ぎてはいけませんし、熱狂的なファンになってもいけません。常に懐疑的な目で見なければ、どのような暗示を仕掛けてくるかわかりません。

また、もうすでに、自分の中に暗示が刷り込まれている可能性は十分にあります。ですから、常に自分の考えを反芻し、矛盾がないように、修正をしなければならないでしょう。これは、自分でも難しくてできないのですが、しかし、これを意識するのと、しないのとでは差があるはずです。