2016年10月10日月曜日

ベーシックインカム導入は避けられない

ベーシックインカムに否定的な意見も多いようですが、しかし残念ながら、ベーシックインカムの導入は避けられないでしょう。なぜなら、近い将来、人工知能やロボットの劇的な進化により「生産に労働力をあまり必要としない時代」が到来するからです。

生産に労働力を必要としないようになれば、必ず失業者が膨大に発生することになります。そして失業者が増えるほどに消費者の購買力は低下し、モノが売れなくなって不況が深刻化し、経済はどんどん縮小しまいます。もちろん失業による貧困が拡大して社会も荒廃します。いわゆる「技術的失業問題」です。これを防ぐには、労働のいかんに関わらず、消費者におカネを支給しなければならない、つまり、これをベーシックインカムと呼ぶなら、それを実施しなければならないわけです。

ですから、「ベーシックインカムは不可避」です。残された問題は「いつ、どのようにして始めるか」だけなのです。

これは、多くの識者の間ではすでに自明なのですが、マスコミ、政治家、官僚、御用学者の多くは意識的にスルーしています。気付かないはずがありませんから。なのになぜスルーなのか?これが社会に大変革をもたらす可能性が高いからです。しかも既得権の構造を脅かす可能性がある。だからスルーを決め込んでいるのでしょう。

こうした日本の「事なかれ主義」と異なり、欧州ではベーシックインカムに関する社会の認知も高まり、賛否に関するアンケートが行われたり、投票が行われたりと、活発な活動が行われているようです。未来に対するビジョンを政治が受け止めるだけの能力があるのですね。

一方の日本で、マスコミ、政治家、官僚、御用学者の熱心なのは「財政再建」「増税」「労働法規の改正」です。彼らの頭の中は、相変わらず1900年代のまま何の進歩もないようです。まもなく2020年にもなろうというのに、驚くべき低レベル。

おそらく、問題が抜き差しならないほど深刻化してから、マスコミも政治家も、はじめて気付いたように大騒ぎを始めるんでしょうが、バカバカしいにもほどがあります。こうした技術的失業問題はある日、突然に起こるのではなく、もうすでに現在進行形で進んでいると考えるのが自然です。だから今の世の中、消費者に行き渡るおカネが少なく、消費者の購買力が不足して、景気が低迷している。

ですから、「ベーシックインカムは不可避」です。残された問題は「いつ、どのようにして始めるか」だけなのです。