2016年11月21日月曜日

安倍トランプ会談 野党も見習え

安倍首相と次期米国大統領トランプ氏の会談のスピード感はすごい。民進党は「朝貢外交」とイメージ論で評しているようですが、実利優先のビジネスの世界を知っていれば、このスピードがどれほど有効か考えるまでもありません。まあ、民進党もこれが安倍じゃなくて他の国の指導者だったら賞賛するのかも知れませんがw。

トランプ氏の政策は、まだ揺れています。具体的な政策がまさに決まりつつある段階です。その時期にすかさず訪問し、自分に少しでも有利な状況に誘導しょうとネゴシエーションに行ったのです。政策が決まってしまってからでは遅いでしょう。しかも、他の先進国、ドイツ、フランス、イギリスなどの政治家は、のきなみトランプ氏を批判してきました。安倍は批判してこなかった。ですから、彼らが対面上、二の足を踏んでいるときに、まさに「トンビにあぶらげ」状態で、いいところを安倍がさらっていったのです。すべての国が「外交的にやられた」と思っているでしょう。

このようなしたたかな老獪さは、中国の政治家にあって日本の政治家になかったものだと感じます。今までの戦後の日本の政治家なら、「大衆主義の懸念がー」とか言って、世界の顔色を見て、趨勢がすべて決まってから、へらへら動くでしょう。

おそらく、次期大統領がトランプ氏でなかったとしたら、早期会談などしなかったと思われます。クリントン氏だったら規定路線なので、訪米するまでもなし。機を見るに敏、この狡猾さを野党は見習うべきです。安全保障もそうだが、おそらく安倍は自由貿易推進論者として、トランプ翻意をしようとするTPP加盟各国の先人を切り、TPPをなんとしても推進するつもりなのだろう。

自分はTPPに断固反対だか、これではヤツに勝てない。

国会で、TPP批准は、どうせ数で押し切られることは目に見えている。野党が必死に反対しているところをマスコミを通じて報道させ、「強行採決」を演出することで自民党支持率を下げる戦略はありだろうが、やりすぎるとなんでも反対のマイナスイメージが逆効果を生むだろう。こんな戦略ばかりでは、国民もやがて飽き飽きしてしまう。

トランプ氏は選挙中にTPP離脱を明確に打ち出していたため、おそらく、そのままTPPを批准するなどということは絶対にできない。必ず再交渉を要求してくる。そのとき日本が絶対に再交渉に応じない、となれば、間違いなくTPPは潰れると思います。だから、TPPの再交渉は絶対に応じない、という点を、確約取るくらい安倍に追求すべきです。そして「再交渉は絶対に応じない」という発言を、マスコミを通じて国民に広く印象付けておく。その上で押し切られるのはやむを得ない。

どんな方法でも良いのですが、野党は安倍政権を逃げの効かない状況に追い込んで、罠に陥れるくらいの方法を考えていただきたいものです。正面から棍棒を持って殴りかかるだけでは勝てない。