2016年11月9日水曜日

政治は変えられる~米大統領選

アメリカ大統領選挙では、新聞マスコミ、御用学者の予想に反してトランプ氏が善戦どころか、トランプ氏が勝利することになりました。これはちょうど英国のブレグジット(EU離脱)の国民投票における新聞マスコミ、御用学者の事前の予想が外れたこととよく似ています。

新聞マスコミがいかに信用できないか、あるいは新聞マスコミが嘘の予想情報で、世論を意図的に誘導していたのではないか、という疑いまで考えざるを得ません。マスコミ大嫌いの自分としては、さもありなん、と言う感じです。

とはいえ、どうせクリントン大統領になるんだろうと思ってましたから、かなり衝撃的な展開でしたね。これは、ある意味で「政治は投票で変えられる」ということを、明確に示した結果だといえます。多くの日本人は「自分が投票しても政治なんか変わらない」と言ってますが、変わるんです。本気になれば。アメリカも庶民の政党離れが進んでおり、日本と同じように無党派層が多く、半数をしめています。

では、日本でなぜ政治が変わらないのか?もちろん大衆の政治意識の低さもあるかも知れませんが、アメリカのように盛り上がらないのは、野党がつまらなすぎるから、アメリカのように、庶民の不満を受けとめる「受け皿がない」のも一つの原因のような気がします。

既得権益集団の塊のような自民党に対して、それ以外の政党も、やっぱり役に立たないと多くの人が考えているのではないでしょうか。少なくとも自分はそう感じています。こんな野党なら、自民党のほうがまだマシだと。

もちろん、日本でも政権が交代したことがあります。2009年に民主党政権(現在の民進党)が誕生したことです。しかし、当時の民主党政権やったことは「消費税の増税」と「沖縄基地問題のかきまわし」でした。他にもあったのでしょうが、ほとんど記憶にありませんね。これを国民が望んで民主党に投票したのか?まさかでしょう。だから民主党政権は倒れたのです。

ところが、日本の野党には自浄作用がありません。民進党は前政権で政策的に大失策をやらかしているにも関わらず、根本的な政策転換はまったく行わず、執行部も刷新されない。あいかわらず同じような顔が並んでいる。所詮は「内輪」から代表を選んでいるに過ぎないからです。だから何も変わらない。

しかし、アメリカは民主党にしろ共和党にしろ、サンダース氏やトランプ氏のような無名の候補者がどんどん出てくるシステムになっています。こうした、政党のシステムこそ、民主政治にとって非常に重要だと思えます。

政治は変えられる。大衆の支持も得られる。そのためには、政党内の内輪で執行部や代表を決めるのではなく、無名の新人まで飛び出すような、新陳代謝の活発な、それこそ下克上のある政党でなければならないと思います。民進党にしろ、どの野党にしろ、こうした、あっと驚くような政党に変わらなければ政治は変わらない、大衆は惹きつけられないと思います。

ちなみに話は変わりますが、アメリカ民主党がクリントンじゃなくて、サンダースを選出していれば、もしかすると違った場面が見られていたような気がします。サンダースVSトランプなら「庶民VS庶民」の対決でしたが、クリントンVSトランプは「既存のエリート政治家VS庶民」ですからね。もう、庶民は既存のエリート政治家に期待していないんです。これがトランプの勝因かと。

さて、良くも悪くも、この変化を日本の国益にどう利用するか、まさに安部政権の力量が問われることになるでしょうね。