2016年12月20日火曜日

「ベーシックインカムの財源は消費税」に反対

ベーシックインカムの財源として、消費税を当てるべきと主張する評論家もいます。しかし自分は消費税や所得税のような家計への課税をベーシックインカム財源にすることには賛同しません。なぜなら、おカネの循環ルートを考えると不自然だからです。

技術的失業で通貨循環に生じる問題は、企業から家計へのおカネの流れが減少することにあります。つまり、人手が余ると失業者が増え、企業から家計へ賃金として流れ込むおカネの量が減少してしまいます。これがデフレ不況の原因となります。では、家計へ行かなかったおカネがどこに停滞するかといえば、企業に停滞してしまいます。ですから、企業で停滞しているおカネを吸い上げて、家計へ流さなければならないわけです。

一方、所得税や消費税は家計に流れ込むおカネを吸い上げます。それをベーシックインカムとして再び家計に支給しても、家計に流れ込むおカネの総量は増えません。家計に流れ込むおカネの量を増やさなければ意味がありません。ですから、消費税や所得税をベーシックインカムの財源とすることには反対なのです。

企業に停滞するおカネを吸い上げるには、企業に課税するのが有効です。そしてそのおカネをベーシックインカムとして家計へ流す。賃金の代わりに企業から家計へ流す。これが財源の基本になります。ただし世の中全体のおカネの量をやや増やしたほうが課税しやすくなるので、通貨発行も財源の一部にすればよいと思います。これにより、失業者が増加しても、企業から家計へのおカネの流れが維持されます。

一方、家計においてもおカネを必要以上に貯め込む人がいるでしょう。あまりにも家計がおカネを貯め込みすぎると、今度は家計から企業へのおカネの循環が悪くなりますから、もしおカネを貯め込みすぎる人がいるなら、家計にも課税すべきです。しかし、これは例外処理です。

企業に停滞するおカネを回収して、賃金の代わりに家計へ流すような仕組みを作るのが基本であって、家計の消費税や所得税を税源とするのは、仕組みから考えておかしいと思うのです。


※だからといって、いきなり法人に課税しろという話ではありません。物事には手順があるのです。念のためw。