2016年12月14日水曜日

北方領土は「返していただく」立場にある

ロシアにとって北方領土を返す義務などまったくありません。日本はロシアに平身低頭して領土を返していただく立場にあります。それを忘れて新聞マスコミが騒ぐのは、まったくナンセンスだと思うのです。

戦争で他国の領土を奪うのは、第二次世界大戦の当時としては当然の行為であり、日本が「島を奪われた」と騒いだところで、そんなものは通用しません。ロシアだけではありません。中国共産党を見よ、ウイグルもチベットも、中国共産党が軍事侵略して奪ったのです。それが堂々と今の国際社会でまかりとおっています。国連の常任理事国になり、EUがカネ欲しさに人権を無視してちやほやするくらいです。武力こそ正義、それが国際社会の冷酷な現実です。だから、本当に北方領土を取り返したいならば、ロシアと戦争して武力で奪い返すのが筋。しかし、それは無謀です。

だから、日本人が「領土を返さない」などと文句と言うのが、ロシアにとってはちゃんちゃらおかしい。すでにロシアの領土である。それを武力によらずに取り返すというのだから、これは並大抵の話ではないでしょう。そもそも対等な立場などあり得ない。日本が平身低頭して「返していただく」のです。それでも返さないなら、本当に戦争しかない。でも戦争はできません。

だから、新聞マスコミが「ロシアに経済協力だけ取られ損する恐れ」などと書くのは愚かです。取られて損するくらいの覚悟がないと、ロシアから領土を返していただくのは無理でしょう。日本がこれだけやったんだから、返してやるか、と、ロシアの国民も納得するほどでなければ、返還などかなわない。

日本がアメリカから沖縄を返還していただいたのは、アメリカが良い国だったからではない。沖縄の米軍基地のような譲歩によって、アメリカの国益に利する条件を日本が呑んだからでしょう。もし当時から米軍基地追放などと騒いでいたら、沖縄はいまでも米国領であったかも知れません。まあ、その場合は、基地問題が発生することもなかったでしょうけど。

国際関係が平和主義だとか、自由平等博愛とか、国際法に基づいて動くというのは、あくまで「理想」です。理想も大切だが、それだけで世界が動くわけではありません。それは中国共産党を見ればよくわかる。もちろんロシアも。理想を大上段に振りかざして外交を行うような間抜けな国は滅びます。

北方領土の返還は、本来は武力で取り返すしかないものを、武力によらず取り返すことです。そのためには、日本は相当な譲歩を覚悟するしかないと思うのです。

2016.12.15一部修正