2017年1月20日金曜日

トランプ大統領には成功して欲しい

いよいよアメリカのトランプ大統領が登場します。トランプ氏には成功して欲しいと思います。トランプ氏の支持者だからではありません。既存の政治家・新聞マスコミ・経済学者が嫌いだからです。彼らの「常識」が粉々に破壊されるのを望んでいます。

全米の新聞マスコミによるトランプ氏への攻撃は、ほとんどイメージ攻撃、中傷誹謗の一歩手前までエスカレートしています。トランプ憎し!です。そう、トランプ氏は既存の政治家・新聞マスコミ・経済学者の価値観を無視し、破壊しようとしているからです。だから彼らも必死です。その尻馬を追っかけて日本の新聞もトランプ批判に余念がありません。

その様子を見て、これはますますトランプ大統領に成功していただきたいと思いますね。トランプ氏はある意味でイカレています。しかし少しイカレているくらいじゃないと、常識・常識で何もチェンジできなかったオバマ氏と同じになるだけ。破壊的創造が必要でしょう。これは荒療治ですからリスクはあります。かなり高リスクかも知れません。しかし、世界経済はゆで蛙のような状態になっており、常識の鍋から飛び出す必要があります。

もちろん、常識に囚われない革新的かつ知性的でジェントルな大統領の方が良いわけですが、そのような人物が大統領になれるとは思えません。常識的な大統領選挙で選出される大統領は、既存の政治家・社会支配層から出てくるだけでしょう。

トランプ政権の登場は常識をひっくり返す大きなチャンスです。

もちろん、世界の超大国アメリカの常識がひっくり返れば、世界中の、日本の常識もひっくり返る可能性があります。少なくとも、今までの常識とは違うアプローチが求められるようになるはずです。しかも、それを成功させなければならない。そのような真剣なチャレンジが、企業の戦略あるいは政府の政策に新たな境地を切り開く可能性もあると思います。

グローバル化が後退して、それ以前の状態に戻るだけとの意見もあるでしょう。しかしそれは筋違いです。以前の時代とは世界の状況が違っているからです。

現代の世界は途上国が台頭するなど構造は変化しており、テクノロジーも格段に進歩して生産性が飛躍的に向上し、先進国ではデフレが蔓延しています。つまり、古い時代の常識が成立していた時と、前提条件が大きく異なっています。条件が変わっているため、どのような変化も元に戻ることを意味しません。それどころか、古い時代では通用しなかった考えが、新しい時代ではむしろ必要とされる可能性もあります。

前進から後退に戻るというのはマスコミの語るイメージ手法に過ぎません。実際には右へ進んでいた進路を、左に修正するという話です。つまり軌道修正を行うのです。

どんな変化であっても、これを利用する。トランプ大統領には大暴れして、既存のグローバル経済に風穴を開けていただきたいと思います。確かにリスクはあります。しかしその中から、グローバル経済に依存しない、強い経済体質を確立する努力が日本生まれることを期待しています。