2017年1月23日月曜日

無料コンテンツ騒ぎ

先日TVタレントが自分の趣味で出版している絵本を無料公開したことに端を発して、ネット上でちょっとした炎上騒ぎがあったそうです。このタレント、黙って無料公開すればいいものを、ブログで「コンテンツを有料で販売するのは糞ダセー」と受け取れる書き込みをしたようです。これはコンテンツを有料で販売している人のプライドを傷付けるでしょうね。炎上はムリもないかと。

一方、これを受けて、無料でコンテンツを提供することに対する批判の声があがりました。無料でコンテンツを提供する人が増えると、有料コンテンツが売れなくなり、有料コンテンツを製作して販売することで生活している人が生活できなくなるというものです。コンテンツの無料化はけしからんという話です。

とはいえ、実際のところ、ネット上で無料のコンテンツがどんどん増えているのは事実です。音楽やグラフィックのソフトが格段に進化し、著作権フリーの素材データも大量に出回るようになり、個人が趣味でハイレベルな作品をどんどん作れるような環境になってきています。これは「コンテンツの生産性の向上」です。近いうちに音楽を自動的に作曲する人工知能も登場するはずです。こうした流れは今後もさらに続くでしょうから、個人が趣味として作る無料のコンテンツは今後も増えるはずです。

そうなると「無料化はけしからん」と言ったところで、多くのクリエーターが生活に窮する事態に追い込まれるでしょう。ですから「けしからん」という暇があったら、コンテンツの無料化に対して、早急に対策を考える必要があります。

では、無料コンテンツを法律で締め出すことができるか?と言えば、これはムリです。そもそも最近は無料コンテンツがビジネスモデルの手法になったりしています。とはいえ、すべての個人が無料コンテンツ・ビジネスモデルを採用すると、ますます首が締まりますね。ですから、最も根本的にこの問題を解決する方法はベーシックインカムを導入することで、クリエーターの生活を保障することです。そうすれば、どれほど無料コンテンツが増えても、生活が脅かされる心配はありません。

そして、ベーシックインカムで生活が保障されていれば、アルバイトなどで食いつなぐ必要もなく、全精力を作品の製作に費やすことができます。もし力のあるクリエーターであれば、有料コンテンツも売れるようになるでしょう。また、コンテンツ制作会社の給料はブラック企業並みの低賃金だと聞きます。そうした人達の所得もベーシックインカムによって引きあがるわけです。

コンテンツの無料化に危機感を覚えるのであれば、クリエーターの皆様は、ぜひ「ベーシックインカム」をご検討ください。すぐに十分な所得は保障できないかも知れませんが、毎月1~2万円の小額ベーシックインカムなら、ヘリコプターマネーとしてすぐに始められます。そして徐々に支給額を増やしてゆくわけです。

また、ベーシックインカムの実施により社会全体の購買力が増えれば、有料コンテンツの売り上げだって増える可能性は十分にあるでしょう。クリエーターを取り巻く環境は格段に良くなると思います。ベーシックインカムを推進しましょう。