2017年1月26日木曜日

資産課税よりも金融資産課税が良い

資産課税と言えばピケティ氏が主張したことで、少し知名度が上がったかも知れませんが、新聞マスコミから叩かれまくってましたね。野党は資産課税の導入じゃなくて、自民党批判に興味があったようです。結局は資産課税の意義は無視された格好に。ところで資産課税の一種に、金融資産課税という考え方もあります。

資産課税の場合は、その課税範囲は広いです。普通に考えると土地建物のような不動産ですが、広げれば絵画などのコレクション、貴金属といったものも含まれますし、減価償却資産としての自動車、家具の類まで含まれるかも知れません。

また資産課税の場合、生活するために使用している資産に課税するのは筋違いな気がします。生活している土地、建物、家財などに課税することは、生活に罰をあたえるようなものです。たとえば、転売のために所有している不動産や美術品などとは意味合いが違います。

一方、金融資産といえば、現金預金、株式、債券などです。これは「カネからカネを生む」道具のようなものです。これは資産ではありますが基本的に「資本」です。そしてこの資本こそが格差を生み出す原因となっています。また同時に、債務通貨制度の元では、世の中の金融資産が増えれば増えるほど世の中の金融負債は増えますので、この資産の裏側には膨大な借金が存在しています。たとえば、住宅ローンや日本の国債の様なものです。

金融資産は、それ自体が生活を豊かにしているわけではありません。土地や建物、家具、自動車といった「生活財」は、それらを所有する人々の生活を直接に支えます。それに対して、「金融資産」はおカネを増やすためだけに存在しています。ですから、まったく性質が違います。

ですから、資産課税のように、生活財も資本(金融資産)もすべて資産として括って課税するよりも、カネからカネを生む資産にだけ課税すべきだと思うのです。それが金融資産課税です。

カネを稼ぐことは悪ことではありませんが、「カネを稼いだらカネを使う」ことが大切だと思います。稼いだカネを貯め込んで消費を冷え込ませる、あるいはカネからカネを生み出す行為でバブルを引き起こす。感心できませんね。その行為が日本の経済をダメにしていると思います。