2017年1月27日金曜日

資源テクノロジーにもっと政府投資を

ベーシックインカム制度の導入に当たり、自分が最も心配しているのが将来の資源枯渇です。資源が枯渇してしまったらベーシックインカム制度は「ベーシックプア制度」になりかねないと懸念しています。

いまは世界経済が停滞していますから資源はダブついています。しかし考えてみればすぐわかりますが、もし本格的に世界経済が回復を始めると、途上国の経済成長が加速し、たちまち資源が不足する可能性があります。とりわけ中国とインド。この両方で26億人も人がいるわけです。

徐々に資源不足になるなら対応可能かも知れません。しかし、世界のマネーが利ザヤを抜くべく、虎視眈々と待ち構えています。資源高の局面になれば、たちどころにマネーがたかってきます。そして先物市場で資源が急激に値上がりすると思われます。そして世界は資源の奪い合いになります。

いくら人工知能やロボットで生産力が増えたところで、資源が無ければ何も生産できません。たちまち供給不足になります。しかもあいかわらず技術的な失業だけは発生しますから、最悪の状態です。スタグフレーションに突入する可能性があります。供給量が少ないですから、ベーシックインカムで入手できる財の量もどんどん減り、「ベーシックプア」な人がおおぜい発生するような気がします。

資源が枯渇したら終わり。

ですから、資源テクノロジーの開発は急務です。後手に回るわけには絶対にいかないのです。具体的には身の回りにある物質を資源として利用する技術(脱金属資源・石油資源)や、自然エネルギーの格安利用技術です。日本にあるものを資源として利用できれば資源枯渇は発生しません。

政府は資源テクノロジーにもっとどんどん投資を行うべきです。こうした投資は市場に任せれば済むような問題ではありません。市場は採算性で動くので、資源の枯渇が見え始めるまで動きが鈍いだろうと思います。しかし見え始めた時にはすでに手遅れの危険性もあります。もちろん企業はそれでも良いかも知れませんが、国民は困ります。

投資は先を読まなければなりませんが、リスクもあります。企業はリスクを負うことが難しい。デフレの今は特に企業はリスクを負わない。だからリスクは政府が負うべきです。政府はおカネを発行すれば財源が調達できる。ある意味でノーリスクです(厳密にはインフレリスクがある)。カネを発行し、民間企業に競争させて技術開発を加速させるのです。

技術の進歩は失敗の山から生まれます。とにかくおカネを投下した国が勝つ。いまやアメリカはおろか、日本は中国にも科学技術への投資分野で水をあけられている始末です。

財務省は黙らせろ。政府支出でテクノロジーを進化させよう。