2017年2月23日木曜日

人手不足より需要不足が問題だ

マスコミは人手不足を盛んに報道し、その一方で賃金がほとんど伸びないことを不思議だと言う。しかし建設業界の人件費は2011~2015年にかけて1.3倍に増加しているらしい。つまり本当に人手が足りなければ賃金は増えるわけです。今はまだ人手不足より需要不足が問題です。

建設業の人手不足は本物です。自分が建設会社を辞める前は採用業務も担当してましたから、職人さんを募集していたのですが、とにかく集まらないので困りました。そうなれば当然ですが他社の給与より高く設定しようと考えるわけです。今年の札幌は雪が少ないので除雪費も少ないのだろうと思いきや、例年より高いそうです。理由は除雪で活躍する重機のオペレーターの人件費が高騰しているから。本当に人が足りなければ賃金は上昇します。

ですから本当に人手が不足しているのは、ごく一部の業界であって、実際には人手不足はマスコミが大騒ぎするほど深刻ではないと思われます。企業アンケートで多くの企業が人手不足を訴えているのはなぜでしょう。企業は先を読んで動く性質がありますから、本当に人手不足で困る前に少人数の応募をかけるでしょう。それで集まらないため危機感を覚えるのだと思います。私が担当していた時もそんな感覚でしたから。

ですから、まだまだ人手不足は深刻じゃない。バブル経済の時の方がずっと人手不足だったに違いありません。こんなしみたれた景気で人手不足など、まるで認識が甘いと思います。当時はアルバイトだけで正社員より豊かな生活が送れる「フリーター」が大勢いたんですからね。

そもそも人件費が本当に高くなるとしたら、転職が活発化してからではないでしょうか。正社員は簡単に給料は上がりません。契約社員も他社に乗り換えなければ給料は上がりません。本当に景気が良くなれば企業は「引き抜き合戦」を始めるので、そうなれば人材の移動に伴って賃金が上昇すると思われます。人材派遣会社が倒産するくらいに景気がよくならないとダメでしょうw。

ですから人手不足より、今は需要不足です。景気はこんなもんじゃありません。世の中のおカネを回せばまだまだ良くなる。バブル時代からすでに20年以上も経過し、当時より生産技術は格段に進歩しているはずです。労働力人口比率が低下しても国民1人当たりの生産力はむしろ向上しているかも知れません。もしそうならバブル景気以上に景気がよくなっても不思議はない。

そのためには、「カネ回り」です。バブル経済がまずい点は「カネを借金で供給する」こと。だから金利上昇で崩壊する。「借金でなく通貨発行でカネを供給」すれば崩壊しない。

だからヘリコプターマネーなのです。

その副作用は銀行の貸し出し増加(借金膨張)による株・不動産バブル。これを抑えるには100%マネー(通貨改革)です。