2017年2月24日金曜日

マクロ政策で企業の内部留保を増やすべき

以前は「企業の内部留保は問題だ」と思っていました。しかし考えを変えました。もちろん企業が内部留保を増やす行動を推奨するのではありません。「マクロ政策として企業の内部留保を増やすことが重要だ」と考えるようになったのです。

日銀による金融緩和でデフレを脱却できない状況を見てもわかるように、銀行にカネを積んでも経済は動きません。企業はカネを借りてまで投資を行わないからです。いくらゼロ金利と言ったところで、銀行は金利ゼロでカネは貸さない。しかも銀行から借りたカネは必ず返さなければならない。

一方、企業にカネが積まれれば、やがて投資に向かわざるを得ないでしょう。内部留保が積みあがれば、多少無謀な投資で損失を出しても財務は悪化しません。つまりリスクを取りやすい。しかも借金(借り入れ)による投資ではないので、金利上昇による財務の悪化を心配する必要もない。債務超過の心配はないですし、借りたカネを返さなければならない心配もない。

多くの企業が無借金経営になり、さらに内部留保が積みあがれば、そのおカネを再投資することは、銀行から借金して投資することに比べて遥かにリスクが低いです。デフレで怖気づいた企業はリスクを取りません。ですから企業のリスクを軽減してやれば投資は必ず増えると思います。

そのためにマクロ政策で企業の内部留保を増やします。
それがヘリコプターマネーです。

ヘリコプターマネーにより国民に給付金を給付すれば、そのおカネは消費を押し上げ、同時に企業の収益を高めます。すると企業の債務は返済され、さらに売り上げが増えれば内部留保を蓄えるようになるでしょう。企業にカネが積まれれば、やがて投資に向かいます。

もちろん「株主利益第一主義」の連中は、投資より株主への配当金を増やせと言うに違いありません。冗談ではありません。ヘリマネのおかげで利益が増えたのであって、株主は何の働きもしていない。ですから同時に配当金の税率を上げます。税収増にもなります。

銀行がいくら低金利でカネを貸すとはいえ、こんな弱い消費では借りて投資する意味がありません。ヘリマネは消費を押し上げつつ、企業の利益による再投資も促すわけです。

世の中のおカネが増えれば、借金をしなくとも投資が出来る。
借金で投資しなければならない必然性はありません。

借金依存資本主義から脱出しましょう。