2017年2月6日月曜日

負の所得税より国民配当が良い

民進党が負の所得税(給付付き税額控除)を日本型ベーシックインカムと偽称しつつ政策として打ち出しました。しかし負の所得税よりベーシックインカムとしてきちんと給付金を支給するの方がデフレ脱却に効果的だと思います。

ところで、サラリーマンなら必ず経験がある「年末調整」ですが、これは払いすぎた税金が還付されるもので、実際には何ら得をしていません。しかし大部分の人はこれを「得した」と感じるのではないでしょうか。こうした心理が人々の購買欲を刺激します。一方、年末調整が行われず、毎月差し引かれる給料が修正されるだけなら、得した気分になりませんし、何の刺激もありません。

思わぬおカネがポンと出るほうが心理効果は高い。たとえば毎月1万円を税額控除するより、ゴールデンウィーク前の4月に12万円を一括支給する。それらは連休中の旅行、買い物など、広範囲に消費に費やされると考えられます。もちろん貧しい人は給付金で生活が楽になる。それが生きたおカネの使い方ではないでしょうか。

ですから、まずはヘリマネ(通貨発行)でベーシックインカムをスタートする。そうすれば景気が回復し、税収も増加し、それがベーシックインカムの財源へとつながってゆくはずです。負の所得税より国民配当が良いと思います。

ところが、民進党はその財源のために消費税を増税することを目論んでいる。そんなことをすれば、明らかに消費活動にマイナスであり、庶民の財布の紐が固くなって、仮に税額を控除したとしても貯蓄が増えるだけです。まさにアクセルとブレーキを平気で同時に踏むようなものです。

民進党は、経済を成長させる気がまったくない。

再分配を強化すれば確かに貧困の問題を解決することは可能でしょうが、それだけだと社会全体が豊かになるとは限らないわけです。消費税を増税すればますますデフレが悪化する。

ベーシックインカムは「世の中を回るおカネの量を適正化する」ことに経済政策としての意味があります。単に貧困層をなくすためだけの社会保障政策ではありません。テクノロジーの加速度的な進化にともなう技術的失業問題にも対応すべき経済システムでなければ意味がありません。財源を消費税に頼れば消費総量の減少を引き起こし、テクノロジーの進化に伴うメリットを相殺してしまうでしょう。

どうして民進党は「消費税増税」から一歩も抜け出そうとしないのか。まるで民主党・野田政権の最大の失策である消費税の増税を正当化するために、他の税には目もくれず、是が非でも消費税増税を導入しようとしているようにしか見えないのです。