2017年3月10日金曜日

ベーシックインカムなきユーロ圏は搾取社会

欧州はグローバリズムによって分断・破壊されつつあります。統一通貨ユーロはさらに問題は深刻化しています。欧州の破壊を止めるには、ベーシックインカムを導入するしかありません。また、ユーロだからこそ絶好の機会だとも思います。

資本主義グローバリズムが欧州で猛威を振るっています。貿易障壁の撤廃によって競争力の高い国がユーロ通貨を通じて富を独占する。つまりギリシャ、イタリア、スペインなどのおカネがドイツに吸い上げられ、ドイツ1人勝ちを生んでいます。労働資源の移動の自由化により移民が続々と流入し、雇用の奪い合いになっています。生産過剰、需要不足を放置し、経済は低迷。まさにグローバリズムが社会を分断し、人々の憎しみを生み出しています。

この先、テクノロジーの進化により、カネの奪い合いや雇用の奪い合いがさらに激化することはあっても、解消することはないでしょう。剥き出しの資本主義とはそのようなシステムなのですから。

グローバリズムを放棄するか、さもなくば
ベーシックインカムを導入するか。

そのどちらかを選ぶ必要があるでしょう。このまま一方的にグローバリズムを進めれば、グローバリズムに排斥された多くの人々の不満はさらに高まり、極右・極左などの過激主義が台頭し、移民や外国人への憎しみが広がると思われます。欧州の分断は決定的になるでしょう。

一方、ユーロ圏でベーシックインカムを導入すれば、イタリア、ギリシャ、スペインといった国々における貧困問題は劇的に解消されるでしょう。ECB(欧州中央銀行)がユーロを発行してユーロ圏のすべての国民におカネを給付するのです。また富裕層への課税も財源にすべきでしょう。それにより、おそらくドイツがユーロ圏から吸い上げたおカネが再びユーロ圏の国々に還流し、経済を押し上げるはずです。ユーロ圏全体でおカネを回すのです。

ベーシックインカムが実施されれば、失業者の生活が保障されるだけでなく、おカネが回って雇用も生まれ、雇用の奪い合いは解消します。それは移民外国人に対する反発や憎しみを和らげるでしょう。またユーロ各国におカネが分散すれば、各国で雇用が生まれ、仕事を求めてユーロ圏内を移動する移民も減るはずです。圏外からの移民については別に検討すればいい。

その結果、どこかの国がカネを独占することなく、ユーロ圏のすべての国がそれなりのバランスを持って成長することができると思うのです。それがユーロ圏の本来の理想ではないでしょうか。

ドイツは1人勝ちでなく、ユーロ圏に貢献するようになる。
ただし、通貨を通じた富の独占という、うまい汁は吸えなくなる。

資本主義グローバリスムは人々を雇用に縛り付けたまま、自由貿易と移民で庶民をなぶり殺しにしています。人々が怒り、過激化するのは当然であり、憎しみと分断を生み出しています。それを緩和する唯一の方法はベーシックインカムでしょう。ベーシックインカムなきユーロ圏は搾取社会です。

そしてユーロ圏におけるベーシックインカムの導入は、ベーシックインカムの単一通貨・多国家圏における効果と、単一通貨である国内の地方における効果を示してくれるはずです。