2017年3月8日水曜日

政府がAI活用計画示すも失業問題は?

日経新聞の記事によれば政府が人工知能(AI)の産業化に関する工程表を示したという。しかし記事を読む限り、人工知能によって発生するであろう数百万人を超える失業に対する検討は何もされていないようです。

物流、AI活用で30年完全無人化 政府が工程表 
(朝日新聞 2017.3.3)

記事によれば、政府の「人工知能技術戦略会議」が工程表を発表するらしいです。その工程は3つの段階からなるといいます。

(1)2020年ごろまで
無人工場、無人農場の技術確立
AIによる創薬支援を一般化
生産設備の故障をAIが予知

(2)2020年から25~30年ごろまで
人やモノの輸送・配送を完全無人化
ロボットの多能工化・相互連携技術の確立
家や家電をAIが制御など

(3)それ以降
介護ロボットが家族の一員に
移動の自動化・無人化で死亡事故ゼロ
潜在意識をAIが分析してニーズを可視化

だそうです。「財源ガー」など無視して、この計画の実現に向けて大規模な政府投資を推進していただきたいところです。しかし、これによって数百万人あるいそれ以上の失業が生まれることは確実です。野村総研の予想通りなら3000万人が失業してもおかしくない。しかし、記事を読む限りは、そうした点に関する検討は一切行われていないようです。

政府において人工知能やロボットによる失業が心配されないのは、本当に不思議ですよね。その理由について楽観的な仮説と悲観的な仮説を考えてみました。

A)楽観的な仮説:すでにベーシックインカムは規定路線

さすがに「数百万を超える雇用を生み出すのはムリだ」と理解して、ベーシックインカムの実施は政府内で規定路線になっている。しかし実施する前に発表すると社会が大騒ぎになるリスクもあるので、あえて実施直前まで発表しない、という仮説。

B)悲観的な仮説:アホすぎて何も考えていない

文字通り政府がアホすぎて何も考えていない、という仮説。この場合は世の中に失業者が溢れてデフレ恐慌になり、社会保障が破綻してから大騒ぎする。

いやいや、賢明な日本政府のことだから、当然ですがA)楽観論でしょうな。B)アホすぎて何も考えていないなど、さすがにあり得ないでしょうw。