2017年4月5日水曜日

「社会に満足な人が66%」は危機だよ

内閣府の調査によれば、66%の人が社会に満足だそうです。

(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040100430&g=soc

以下引用)

内閣府は1日、「社会意識に関する世論調査」を公表した。

 「現在の社会に全体として満足しているか」との質問に「満足している」と答えた人が前回調査比3.9ポイント増の65.9%に上り、2009年の設問開始以来最高を2年連続で更新した。「満足していない」は同3.9ポイント減の33.3%で過去最低だった。
--引用ここまで

アンケートの結果を受けて、「事なかれ主義」の政府・官僚は安堵しているに違いありませんが、この結果は安心どころか危機的な状況であると思います。なぜなら大半の日本人は「欲がなくなってしまった」ことを意味するからです。

現状に満足せず、それ以上の何かを求めるからこそ社会は向上するのであって、満足してしまったらそのままということです。しかも今の社会のレベルは国民が十分に満足できるほどのレベルに達しているとは思えません。

たとえば現状の社会がたいへん素晴らしい状況で、なおかつ国民が満足しているなら問題はありません。しかし現状は消費が低迷してデフレ不況が続き、国民所得が減少を続け、長時間労働は解消せず、介護や育児の問題もあり、格差や貧困は一向に解決していません。なのになぜ人々は満足するのか?

それは「貧困でも満足できる人間」になってしまったと考えられるのです。長引くデフレや不況に我慢を続け、そうした状況に慣れ、感覚が麻痺して不幸を感じなくなってしまう。まあいいや、と諦めてしまう。そして国民が低いレベルに慣れ甘んじる状態になれば、官僚も政治家も努力などしなくなる。これでは日本の行く末はジリ貧になってしまうでしょう。結局は耐えられないほどの状態になるまで人々は「我慢」を続けてしまう。しかし、それでは手遅れになる恐れがあります。

まさに「デフレマインド」ではないのか。

国民の不満が多いよりは少ないほうが良いとは思います。しかし社会の現状が満足できるレベルに無いにも関わらず国民が満足してしまう。国民がこんなレベルで満足させられている悲しさ。そこに強い危機感を覚えてしまうのです。