2017年6月22日木曜日

ベーシックインカムで右派と左派が共闘できるか

右派も左派も一般大衆が大部分なのですから「自分達の生活の豊かさを求める点」で同じはずです。ですから例えばベーシックインカムで右派と左派が協力しても良さそうですが、そう簡単にはいかないようです。「それ以外の違い」が大きな障害になってしまうからです。

なぜなら、もし右派、または左派の政権が誕生したとき、共通の利益とは違う部分の政策において、自分達の考えとは異なる政策が実施されてしまうのではないか、と恐れるからです。

具体的な例では、外交政策があります。仮にベーシックインカム制度の導入に向けて右派と左派の方向性が一致したとします。しかし、仮に左派が政権として主導権を取れば右派が恐れる「中国共産党に親和的な外交」を行われる可能性があるわけです。こうした「恐怖・不信感」が主導権争いを生み、生活の豊かさを求めるべき者同士が互いに潰しあいをします。

それを防ぐ手立ては無いのでしょうか?

連立政権というケースがあります。単独政党で過半数を取れず、連立が必要な状況であれば、両者に共通の政策だけが、まず優先されることになると思われます。

例えばベーシックインカムを主張する左派と、右派が、それぞれに議席の1/3を確保したと仮定すると、その両者はベーシックインカムの推進に関しては一致できます。ですからベーシックインカム政策は推進可能です。外交政策に関しては、他の政党との関連性で決まるわけです。もちろん、そんな都合の良い状況が簡単に生まれるとは思いませんが。

さて、現状の日本でそうした状況が生じるとしたらどんなケースでしょう。たとえば、仮に日本共産党がメイン政策としてベーシックインカムを打ち出したとします。まあまあ、例えばの話ですよw。

もちろん、ベーシックインカム制度にも立場によって違いがあるため精査は必要ですが、仮に十分に評価できる内容であれば、日本共産党の他の政策に大反対であったとしても、ベーシックインカム推進派の右派が、日本共産党に選挙で投票しても良いかも知れません。なぜなら、もし、日本共産党が伸びたところでいきなり政権を取る事はあり得ないので、それほど心配する必要はないからです。

もちろん、それだけでベーシックインカム制度が実現できるはずもありません。しかし、もし共産党がベーシックインカムを前面に押し出して得票を伸ばしたなら、他党は間違いなく危機感を覚えるはずです。すると他党が対抗上、ベーシックインカムを政策として取り入れる可能性が出てきます。あちこちの政党でベーシックインカムを政策に取り入れるなら、投票先政党の選択肢は増えますし、それに比して政策の実現可能性は高まります。

つまり、「右派でも左派でもいいから、朝から晩までベーシックインカムを主張する政党が出てくる」のが望ましい。そして国会でも、与党を攻撃して引き摺り下ろすことに時間を使うのではなく、徹底的にベーシックインカムの議論を吹っかける。口を開けばベーシックインカム。もちろん、人工知能、技術的失業問題など、最先端のテクノロジーや世界的なベーシックインカム推進の動きも交えて。

ですから、ベーシックインカムで右派と左派が共闘するには、日本の野党(このさい右派でも左派でもいい)に、ベーシックインカムを政策として採用させ、それ一本で押させる、あるいはイタリアの五つ星運動のように、ネット運動を通じて、ベーシックインカム一本で押すような政党運動を起こすことが必要かも知れません。そして右派も左派も、とりあえずそこに投票するわけです。

まずは、頭の固い連中の脳みそに風穴を開けることが先決で、そこに右派と左派が共闘できる可能性があるかも知れません。