2017年9月28日木曜日

財務省の「財源ガー」より大隅教授の言葉

新聞もたまには良い記事を掲載します。ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅教授の講演会の記事がありました。博士の言葉「ゆとりがなければ科学は育たない」。

大隅教授は日本の科学・学問の置かれた現状に危機感を覚えているという。このままでは日本の学問研究は衰退してしまうかも知れない。公演の中で博士はこう述べられたという。

「今の日本はゆとりを失っている。ゆとりがない心から、おもしろい科学は生まれない。社会が役に立つことばかり求めていては、科学は育たない。ある研究が花開くのは10年後なのか100年後なのかは、誰にもわからない。本当に知りたいことを蓄積していく先に人類の将来はある。」(引用)

まさに正しい見解です。学問研究に成果や効率を求めることがそもそも異常なのです。とりわけ基礎科学の分野は、大隅教授のオオートファジーにしろ、何の役に立つのかまるでわからない。しかしそんなことは考えずに研究を始めたといいます。興味があるから、おもしろいから研究に没頭したわけです。

こうした研究は下手をすると本人が生きている間に何の成果(経済的効果)を得ないことすらあります。しかし、それらは確実に経験として積み重なり、世代を超えて大きな成果を生み出すこともありえるのです。実際、人類の科学や技術の進歩は世代を超えて受け継がれ、蓄積されることで発展してきたものであり、一個人の努力や才能の成果ではないのです。人類総がかりで生み出す、社会財産なのです。

それを、たかだか数年単位で学問研究に成果を求める姿勢は傲慢であり、科学に対する冒涜です。その根本には「投資効率」という「拝金主義」が存在しているのです。カネ、カネ、カネ、カネ。そんなにカネが惜しいのか。

マスコミ記者の質問は「何の役に立つんですか、成果はあるんですか」。財務省は「財源ガー、無駄遣いの排除」。まさに頭の中はカネ、カネ、カネ。

科学とは無駄遣いの大いなる成果である。

そんなこともわからん拝金主義者、財政再建カルトの連中によって、日本の研究学問、そして経済活動が潰されてゆくのは、極めて残念であるし、強い憤りを感じざるを得ないのです。

2017年9月27日水曜日

成長戦略はいいわけに過ぎない

新聞テレビはしきりに成長戦略の必要性を報道しますが、具体政策は何も出てきません。結果として、単に人々の関心を成長戦略に向けさせているだけなのです。何十年を経ても成長戦略は出てこない。無いからです。

そもそも成長戦略を政府が考えることは不可能です。不確実性の時代になると、民間でも成長戦略を成功させることはとても難しい。唯一の方法は「数撃てば当たる」という確率論方式です。つまり、チャレンジの数が多ければ、失敗の山の中から成長戦略が生まれてくる。

しかし、そんなことを政府がやったら大変です。誰が失敗の山の責任を取るのか?それこそ新聞マスコミがよってたかって叩くでしょうww。だから民間が失敗の山を作る役割を引き受けなければならない。

重要なことは、人々の購買力を強化することです。カネがなければ、いくら良い製品が生まれても売れない。もちろん「超ウルトラ級の画期的商品」なら、人々におカネが無くても売れるかも知れませんが、そんな製品はめったに生まれない。つまり、失敗する可能性が高くなる。チャレンジャーは次々に討ち死にしてゆくでしょう。

一方、人々に購買力があれば、そこそこ良い製品であれば、そこそこ売れるはずです。そうすれば、チャレンジャーのリスクは軽減されるので、新たにチャレンジする人は増えてくるはずです。もちろん銀行や投資家の投資機会も増えますよw。

つまり成長戦略に必要なのは「モノやサービスが売れる経済環境」です。まずこれが大前提のはずなのです。カネがなくて売れないのに、成長戦略もあったものではありません。

日本の成長が止まったのは、バブル崩壊後に金融が引き締められて以来です。それ以来、基本的に金融はずっと引き締められ続けており、おカネの供給は減ったままです。バブル崩壊と同時に成長戦略が無くなったわけではありません。

成長戦略ではなく、おカネの供給が経済成長を支えていたのです。そんな簡単なこともお忘れですか?

ですから、もう何度も主張するように、給付金・ヘリコプターマネーなのです。成長戦略より、まずモノやサービスが売れる経済環境を作る必要があります。そこをまったくスルーして成長戦略の必要性を、しかも一つの具体論も出さずに記事を書く新聞テレビには呆れてしまいます。

そんなに新聞テレビは、国民にカネを配るのが嫌なのか。


2017年9月26日火曜日

財政再建はまったく不要、むしろ毒薬

財政再建は日本経済を死に至らしめる毒薬です。必要なのは財政再建から頭を切り替えることです。国債発行も通貨発行も、同じ「通貨の供給」だからです。

財政再建はまったく不要です。必要なのは「国債発行による通貨供給」から「通貨発行による通貨供給」への発想の転換です。税収の不足分を国債ではなく通貨発行によって賄えば、そもそも国債なんて必要ないのです。そうすれば財政再建・財政赤字の問題は根本的に発生しません。本当は将来のツケなんて存在しないのです。国債を発行することで、わざわざツケを作っているのです。歳入を「税収+国債」ではなく「税収+通貨発行」に変更するのが根本的な問題の解決方法です。

国債の代わりに通貨を発行するとインフレになる、と騒ぐ人が居るでしょう。しかし、国債の代わりに通貨発行をしてもインフレの短期リスクは国債発行と同じ程度に過ぎません。なぜなら通貨発行も国債発行も、ほとんど同じだけ世の中のおカネ(マネーストック)を増やすからです。だから、国債発行でも通貨発行でも同じだけインフレになる。通貨発行してインフレになるなら、国債を発行してもインフレになるのです。

ではなぜ日本では1000兆円以上の国債を発行してもインフレにならないのか。国債の発行によって供給された1000兆円のおカネの大部分が、貯蓄されたまま動かないからです。国債だからインフレにならないのではなく、おカネが貯めこまれて動かないからインフレにならないのです。ですから国債ではなく通貨発行で1000兆円のおカネを供給しても動かなければ同じなのです。

ただし政府による通貨発行はマネタリーベースを増やすので、金融緩和と同じ効果があります。市中銀行はこれを元に何倍にも膨らませて預金(マネーストック)を信用創造するので、これがバブルやインフレの長期リスクとなります。とはいえ、これは日銀の行っている金融緩和と同じです。ご存知のように、金融緩和してもちっともインフレになりません。ですから、過度にインフレの心配をする必要はありません。

そして、財政再建は不要どころか毒薬です。
財政再建は金融引き締めどころの騒ぎではないからです

金融引き締めは中央銀行がマネタリーベースを減らすことです。これが市中銀行の金利の引き上げを促し、貸し出しの増加を抑制します。貸し出しが抑制されることで世の中のおカネ(マネーストック)の伸びが低下するわけですから、それは間接的な方法です。基本的に世の中のおカネが減るわけではありません。

ところが、財政再建は家計に課税して世の中のおカネを直接に吸い上げて相殺(おカネを消す)してしまうため、世の中のおカネ(マネーストック)を直接減らすのです。つまり、財政再建は経済の「毒薬」なのです。財政再建によって、世の中のおカネが直接にドンドン減ってしまうのです。これは強力なデフレ圧力となります。

日銀が、金融緩和によって貸し出しを増やし、世の中のおカネを増やしてデフレを脱却しようという最中に、財務省が財政再建によって世の中のおカネを減らそうと言うのですから、まさに「アクセルとブレーキを同時に踏む」ような行為であり、飛行機なら「逆噴射」で墜落間違いなしですね。財務省はやる事が支離滅裂です。

財政再建はまったく不要、むしろ毒薬なのです。


2017年9月25日月曜日

マクロ政策争点なき衆院選は不毛

衆院選の各党マニフェストはまだですが、方針概要が新聞等で報道されています。しかし各党ともミクロ政策ばかりで、これでは何回選挙をしたところで同じことの繰り返しです。

自民党は人づくり革命や全世代型社会保障(教育の無償化・支援)であり、民進党もほとんど同じ社会保障や同一労働同一賃金といったあたり。ちょっとした騒ぎになっている小池氏がらみの新党(希望)も、しがらみのない政治とかワイズ・スペンディング(支出)を掲げるらしい。これらはほどんどがミクロ政策です。

経済政策において国政が地方政治と決定的に違うのは「マクロ政策」があることです。ある意味でミクロ政策は地方自治体でもできます。そして地方自治体こそ限られた財源の中で、いかに公共のための政策を行うか=ワイズスペンディングが重要です。地方はまさに家計簿の世界です。

しかし国政はマクロ政策として、国家経済全体を大きく動かす重大な政策を担ってます。マクロ政策の柱は財政政策と金融政策の二本柱であり、これをどうするかが課題です。

教育の無償化や同一労働同一賃金もマクロに与える影響は当然にあるわけですが、基本的にマクロはおカネの量が重要になります。財政政策の内容は当然重要ですが、全体としての財政出動をどれくらいの規模で行うか、が重要です。こうした報道がほとんどありません。

また、もう一つの柱である金融政策については各党ともまるでありません。金融政策は日銀の専権事項ではないのです。国民の意思を反映しなければ、金融政策は日銀の「恣意」で動かされてしまいます。それは民主主義ではありません。たとえば金融緩和はどうするべきか、インフレターゲットはどうあるべきか、それらの目標は国民が決めなければなりません。つまり公約です。

その上で、日銀が目標を達成するための手段として、具体的な金融政策の運用判断を行うのが日銀の専権事項なのです。何から何まで日銀の好き勝手にすればいいのではありません。

その意味で各政党の公約には、まるで期待できません。

そもそも成長戦略などと言って、ミクロ政策を下手に増やせば、それだけ手間が必要となります。結果、役人の仕事が増えて、ますます役人の権限が肥大化し、官民癒着の温床にもなります。

そうではなく、マクロ政策で経済環境をスッキリ良くして、あとは民間が好きなようにすればいい。政府は貧富の格差が拡大しないように再分配政策だけシッカリやればいいと思うのです。そもそも自由主義経済ってそういうことです。成長戦略なんか政府の仕事ではありません。民間の仕事です。

いやはや、何回選挙やっても、これじゃ何も変わらんでしょ。マクロですよマクロw。いくら財政出動するの、金融政策はどうすんの、消費税はどうすんの、それが最重要ですよ。政治家には少しは真面目に仕事していただきたいと思います。

マクロ政策なき衆議院選挙は何回やっても不毛です。



2017年9月22日金曜日

新聞の「金融正常化」フェイク報道

米国FRBが資産縮小を打ち出したことを受け、新聞には「金融正常化」の報道がされていました。しかしその内容は実にいい加減なものであり、正しい情報を伝えていません。

正しい情報とは、金融におけるマネタリーベースとマネーストックのことです。いつものことですが、新聞テレビはマネタリーベースとマネーストックを正しく伝えたことがありません。両方をごちゃまぜにしているため、ほとんど意味のない情報になっているのです。

紙面には「増えすぎた世の中のおカネをそのままにすると、急激なインフレになる恐れがあるので、世の中のおカネを減らす判断をした」のような、不正確なことを漫然と書いています。ところがFRBは世の中のおカネ(マネーストック)を減らす気などまったくありません。減らすのはマネタリーベースなのです。

もし本当に世の中のおカネ(マネーストック)を減らすとどうなるか?たちどころに米国はデフレになり、金利が急上昇して、景気が見る間に落ちてゆくでしょう。あの日銀ですらマネーストックを減らそうなどと考えないでしょうし、実際、世の中のおカネは常に増え続けています。増加するペースが大きいか、小さいかの違いだけなのです。

こんなフェイク報道を新聞テレビはいつまで続けるのか、いい加減にきちんと報道すべきです。マネタリーベースとマネーストックは金融制度の基本中の基本であり、難しいから書かない、なんて話では済まされないのです。難しい話をやさしく国民に理解させるのが、新聞マスコミの仕事なのです。職務怠慢です。

FRBは資産を縮小することで、金融部門(市中銀行)に供給しているマネタリーベースを減らします。マネタリーベースを減らすと、金融部門が預金を信用創造で作って企業や家計に貸し出す際の金利が上昇し、貸し出しが減少することで世の中のおカネ(マネーストック)を減らす効果があります。しかし実際には世の中のおカネが減ることはまずありません。そんなことをすれば、先ほども申し上げたようにデフレ不況に逆戻りしてしまうのはFRBも理解しています。

ではなぜ、FRBが資産を縮小してマネタリーベースを減らすのか?それは、マネタリーベースを減らしても、景気回復で貸し出しが増え続けるだろうと予測するからです。つまりマネタリーベースを減らしても、金融部門の貸し出しが増えれば世の中のおカネ(マネーストック)は増えると踏んでいるからです。

つまり、世の中のおカネを減らすつもりなどゼロなのです。

ところが新聞テレビはマネタリーベースとマネーストックの区別もできない知的レベルらしく、FRBが資産を縮小すると聞くと「世の中のおカネを減らす」などと、まるでトンチンカンな記事を書くのです。呆れてしまいます。

2017年9月21日木曜日

ヘリマネしなきゃおカネは増えない

世の中のおカネが増えないから景気は良くならないし、賃金は上がらないし、労働環境は良くならない。しかしバブル崩壊以降、日銀がいくら金融緩和しても世の中のおカネはほとんど増えない状態になっているのです。

日銀が供給するおカネはマネタリーベース(日銀券および日銀当座預金)MBですが、これは市中銀行のいわば帳簿にあるおカネであって、このおカネは世の中に出回るわけではありません。実際に世の中の人々や企業の所有する、手元や預金通帳のおカネはマネーストックMSです。このマネーストックは市中銀行から誰か(家計、企業、政府)におカネが貸し出された時に増えます。なので、誰かが市中銀行からおカネを借りなければ世の中のおカネは1円も増えません。

では、世の中のおカネであるマネーストックMSの推移はどうなのか、日銀の供給するマネタリーベースMBの推移と並べてみましょう。対前年の伸び率でみます。


図から読めることは、1990年代のバブル崩壊後に日銀が金融ハードランディングを実施するまでは、マネタリーベースとマネーストックは比較的に同じ傾向にあり、マネタリーベースの増減にあわせてマネーストックも増減しているように見えます。ところが、ハードランディングの後、日銀がいくらカネを刷ってマネタリーベースを拡大しても、世の中のマネーストックの伸び率は鈍いままです。

とりわけ、アベ政権以後に日銀がマネタリーベースを急拡大したにも関わらず、マネーストックの反応はほとんど微々たるものです。つまり、市中銀行からおカネを借りる人が居ないのです。貸し出しが伸びなければ、世の中のおカネは増えません。

世の中のおカネが増えないのですから、賃金が増えるはずないですし、消費も増えない。となれば物価なんか上がるわけがない。

ですから、企業や家計が銀行からカネを借りるのをひたすら待つのではなく、日銀の発行したおカネを直接に世の中の投入すれば、世の中のおカネは確実に増えます。それがヘリコプターマネーです。また、こうした状況であれば、日銀がいくらおカネを発行しても意味がなく、ヘリコプターマネーでなければダメであることがおわかりいただけると思います。

もし参議院選挙で、与野党がまともな経済論争をするなら、このヘリコプターマネーの話題こそ重要であり、争点に据えるべきテーマであると思うのです。



2017年9月20日水曜日

まんまとアベの罠に嵌る民進党

衆議院の解散選挙が濃厚ですが、早くも自民党の「争点つぶし」の罠にまんまと民進党が嵌ったようです。なぜそうなってしまうのか?

マスコミ報道によれば、自民党は選挙の争点として、消費税増税の税収増の使い道として「全世代型社会保障、教育の無償化・支援」などを打ち出すとしています。これは民進党が打ち出している「オール・フォー・オール=消費税の増税を社会保障の充実に」というスローガンとほとんど同じような印象を国民に与えます。これなら国民は民進党を選択する必要はありません。

これに対して民進党は、ものマネだとか、トンビに油揚げをさらうような恥知らずの行為と批判しているようですが、ほとんど負け犬の遠吠えようなものです。こうした争点つぶしは過去にもすでに経験済みであり、当然ながら簡単に予測できたことです。

なんでこうなるのかw。
それは、民進党が今までと何も変わらないままだからです。
繰り返します、「民進党は何も変わっていない」。

民進党の政策は眠っていてもわかる、
新鮮味も何もない、シーラカンス政策だからです。

以前にも書きましたが、絶対に争点を潰されない方法は簡単です。消費税の増税に強烈に固執する政策を止めて、ヘリコプターマネーによって世の中のおカネを直接に増やす方法を行い、それを財源として育児、教育、社会保障など年金の安定化を図ればよいのです。

これは自民党には絶対にできない。なぜならカネを貯めこんでいる富裕層はインフレを嫌い、高金利を望み、世の中のおカネを直接増やすことに大反対だからです。ヘリマネは、まさに市民のための政策だからです。

ところが民進党は財務省に騙され、わざわざ自民党と同じ土俵「消費税増税」に上がって戦おうとしている。これじゃあ争点つぶしもへったくれもありません。民進党が自ら潰されにノコノコやってくるのですから、アベは笑いが止まらないでしょうw。

アベが最も怖いのは、消費税を増税するか、しないか、それを二者択一の焦点にされること。同じ増税なら、こりゃ自民党の楽勝だね。

この際だから、民進党は大敗して跡形もなくなったほうがいい。財務省に騙されて国民に増税を強制するような野党はいらない。潰れてこそ、ようやく気が付くかもしれませんね。

自民党もダメ、民進党はもっとダメ、またしても選挙はまったく期待できませんね。

2017年9月15日金曜日

ひきこもりと学校制度の見直し

ひきこもりの増加が取り沙汰されていますが、いじめの問題も深刻化しています。旧態依然とする学校システムはそろそろ全面的な見直しが必要な気がします。

ひきこもりの増加には、いじめの問題が大きく関係していると思われます。直接いじめを受けなくとも、意図的に無視・仲間はずれにするといった状況も数多くあると思われます。そうした学校の状況が改善されない中で、自分の生存を守る行為として、ひきこもりは合理的な判断です。

むしろ、世間がひきこもり行為を問題視することで、ひきこもりに罪悪感(うしろめたさ)を覚えさせ、社会や両親からのプレッシャーと、学校でのいじめから逃れたい願望の葛藤によるストレスに耐えられず自殺したり、精神に異常をきたすことにあるではないかと思われます。

もし本気でひきこもりを無くしたいのであれば、学校の環境を変えるべきでしょう。学校を変えることなく、学校へ引っ張ってゆくのは拷問に近い所業です。

学校のどこがまずいのか。恐らく、すべての生徒を特定のクラスに押し込めて集団教育する、まるで工場のような大量生産型の教育に問題があるのではないかと思うのです。確かに大量同時教育は、生産効率が高いでしょう。しかし人間性は考えられていません。人間関係には、合う合わないが必ずあります。合わない人ともうまく連携できる能力を獲得できれば良いのですが、誰でもそれができるわけではありません。する必要もありません。

学校の基本的なしくみ、例えば無作為にクラス分けした多人数集団教育、画一的な教育内容などは相当に古いですから、抜本的に見直しが必要だと思われます。教師や生徒の意識改革でどうになかるとは考えられません。

クラス制や学区制を廃止して、完全にフリーの状態で好きな教室で授業を受けるようにしたり、授業ではなく独学中心(ただし試験で理解度をしばしば確認する)のコースを用意したり、自分達のペースでコミュニケーションすれば済むような環境を整えてやればストレスはかなり軽減されるはずです。クラス単位で強制的に行われる学校行事を止めて、自由参加で行う行事を多数用意するなどの工夫も必要だと思います。

こうした、教育内容の多様性を確保しようとすれば、教師、相談員などの人手がより多く必要になるわけで、もちろんおカネが必要です。しかし、こうした分野こそ人工知能やロボットによって失業が増える時代にあっては、生身の人間の活躍できる場であり、ますます力をいれるべき分野だと思われます。

もちろん財務省のように、口を開けば「財源がー」などと言っていては何もできません。たかだか最近話題の「教育の無償化」すら財源ガーと騒ぐ始末。そんなにカネが惜しいのか。

財源よりも、人の人生、人の命がはるかに大事です。カネなんか刷ればいくらでもできますが、人間の命はそうはいかないのです。



2017年9月14日木曜日

通貨量の重要性が理解できない人々

新聞テレビ、御用学者、政治家の多くが消費税の増税を推進し、財政再建に賛同しているが、いま増税すれば日本経済にトドメを刺す結果になる。頭は大丈夫なんでしょうか。

まず、民進党。消費税を増税しても、それを再分配すれば消費が増えると考えているらしい。そもそも消費税は、ある人の消費を減らして別の人の消費に付け替えるだけなので、消費の総量が増えるわけではない。消費の総量を増やすためには、おカネを付け替えるのではなく、世の中を回るおカネの量を増やしてやらねばならないのですが、そんな簡単なことすら理解できないんですから本当に不思議です。

老後や将来に不安があるからおカネを使わずに貯めるのだという。消費増税による社会保障が安定すると不安がなくなって消費が増えるなんて、財務省のレクチャーそのままに信じているようです。しかし不安が減れば本当に消費が増えるかどうか、誰もわからないでしょう(前例がないw)。

そもそも、資産家のように老後の生活に必要とは思えないほどのカネを大量に貯めこんでいるのはなぜか?それは老後に不安があるからではないのです。人間はそもそもおカネを貯め込む性質があるからです。将来の不安など関係ありません。

これがもし消費税の増税ではなく、金融資産課税のように、「貯蓄によって死蔵されているおカネ」に課税して低所得層に再分配するのであれば、社会全体の消費は増えるでしょう。結局のところ、いかなる税制であれ、世の中を回るおカネの量を増やさなければ経済に良い影響は何もありません。

それと、財政再建を叫ぶ新聞テレビ、御用学者、政治家。財政再建は「国の借金ガー」ばかり騒がれますが、そもそも1000兆円以上の国の借金によって銀行預金が1000兆円発生しているという事実をまるで理解していません。例えば家計の金融資産が1800兆円あると騒いでいますが、この多くの部分が国の借金ガーによって生み出された銀行預金です。

もし本気で財政再建をするのであれば、世の中から1000兆円の銀行預金が消えて無くなるわけです。そんなことをすれば、景気が良くなるはずありませんね。もし、本気でそれをやろうと主張しているのであれば、国民に包み隠さず「世の中の預金を1000兆円減らします」と言えばいい。都合の悪いことは言わないw。

本当のアフォなのか、日本を潰そうとする外国のスパイなのか、金融街の手先なのか、はたまた宇宙人の侵略かw。

本当に困った人たちだと思います。


2017年9月13日水曜日

グラフで見る、カネを刷らない日本経済

日本の経済がダメになったのはおカネを刷らないからです。それはおカネの伸びと経済指標(経済成長率・雇用者報酬・税収・物価)の推移をグラフ化して並べてみれば誰でも簡単に分かる事実です。

(じいちゃん)
「今日は、カネを増やさない日本の経済がどうなったか?を、グラフで見てみようと思う。日本は「カネを刷らない国の経済がどうなるか」の実例を世界に示しておるのじゃよ。多くの人は日本はカネが唸るほどあると思っているじゃろうが、実際のところおカネの増え方は日本が経済成長を続けてきた時代に比べると半分にも満たない状況じゃ。世の中のおカネの伸びはマネーストック(M2:現金預金)の伸び率でわかる。マネーストックの伸び率が低いと経済成長できなくなる。まずマネーストックの伸び率と名目GDPの推移をグラフで見てみよう。

①カネを刷らずにGDP頭打ち


1990年まではおカネの伸びがおおよそ10%くらいあり、その間はGDPがぐんぐん成長しておる。ところが1990年を境におカネの伸びは急激にほぼゼロにまで激減し、その後は3%程度の伸びに留まっている。すると1990年以降GDPの伸びは減速し、ほとんど成長しなくなってしまったのがわかる。これをマネーストックの伸び率と名目経済成長率のグラフで見てみよう。

②カネを刷らずに経済成長低迷



(ねこ)
「おカネの伸び率と経済成長率の変化がピタッと一致しているにゃ。おカネの伸び率と名目経済成長率には強い相関関係があるのにゃ。」

(じいちゃん)
「そういうことじゃ。これはたまたまそうなった(擬似相関)のではない。おカネが経済活動の媒介をしているのじゃから、世の中のおカネが増えなければ経済成長できないのはある意味で当然の成り行きとも言える。

経済成長しないとどうなるかというと、労働者の給料がちっとも増えなくなる。世の中のおカネが増えなければ、働いても働いても給料が増えないのじゃよ。マネーストックの伸び率と雇用者報酬(全国の労働者のお給料の合計)をグラフで見てみよう。

③カネを刷らずに労働者の賃金低下

マネーストックの伸びが激減した1990年以後、雇用者報酬は伸びなくなり、逆に減り始めた。働けど働けど我が暮らし楽にならざり、というわけじゃ。おまけにカネを増やさないから税収も増えない。次にマネーストックの伸び率と税収、政府支出をグラフで見てみよう。

④カネを刷らずに税収減少・財政悪化

カネの伸びが減った1990年を境に税収の伸びはピタッと止まった。とはいえ社会保障などに必要な政府の支出は減るはずがないので、歳入と歳出の差はどんどん開き続ける結果になったんじゃ。これが「ワニの口が開く」というヤツじゃよ。じゃがワニの口が開き始めたのは、世の中のカネが増えなくなったからだとわかる。」

(ねこ)
「とんでもないにゃ。世の中のおカネが増えないから労働者の給料は減る、その一方で世の中のおカネが増えないから税収も増えずに財政赤字になるにゃ。そして財政赤字だからといって、財務省が減ってゆく労働者の給料からさらにおカネを毟り取ろうとしているにゃ。そんなことしないで世の中のおカネを増やせばいいのにゃ。」

(じいちゃん)
「その通りじゃな。ところが財務省とその取り巻きである新聞テレビ、御用学者、自民党の税制調査会の議員連中は世の中のおカネを増やすよりも、税率を引き上げてちっとも増えない労働者・庶民の所得からさらにカネを奪おうという発想しかない。そんなことでデフレを脱却できるなんて考えるのはお笑いじゃよ。おカネを増やさないと物価は上昇しない。それをマネーストックの伸びとインフレ率のグラフで見てみよう。

⑤カネを刷らずにデフレから脱却できない

1973年と1979年に物価が跳ね上がっているが、これはオイルショックによるものでおカネの量とはあまり関係がない。これを見ても1990年以降はインフレ率がゼロあるいはマイナスという状況が長く続くようになっておる。カネを増やさいからインフレ率が高くなるはずがない。」

(ねこ)
「馬鹿みたいなのにゃ。おカネを増やさないから経済がおかしくなっているのはグラフを見れば誰でもわかるのに、おカネの話になると新聞テレビも御用学者も、見ざる、聞かざる、言わざるになってしまう。なんでおカネを増やさないのかにゃ。」

(じいちゃん)
「そう思うのが普通じゃが、中には「カネが増えないのは景気が悪いのが原因であって、日銀は悪くない」なんて主張する人もいるじゃろう。だが日銀はおカネを発行できる立場なのだから、おカネが増えないのはまさに日銀に責任がある。とはいえ通貨制度に欠陥があることも事実じゃ。

このサイトでは何度も説明しておるが世の中のすべてのおカネは借金から作られている、つまり「誰かが借金しなければ世の中のおカネは1円も増えない」という通貨制度になっておる。そのため日銀がおカネを発行したところで、誰かが借金しなければ世の中のおカネは1円も増えない(いわゆるブタ積み)。そこで世の中のおカネを増やすために今までは政府が借金する(国債を発行して市中銀行が国債を買う)ことで世の中のおカネを増やしてきた。ところがその結果として国債の発行残高が1000兆円を超えるようになって、財務省が大騒ぎしているわけじゃよ。」

(ねこ)
「アホみたいだにゃ。誰かが借金しないと世の中のおカネが増えない通貨制度がおかしいにゃ。」

(じいちゃん)
「左様、じゃからこそ通貨制度改革が必要だとわかるはずじゃ。誰も借金しなくても世の中のおカネをふやすことができる通貨制度に変えなければならんのじゃ。それが政府通貨制度なんじゃよ。詳しくは本編サイトの他の記事を読んでくれるとありがたいのう。」

本編サイト




2017年9月8日金曜日

火星移住計画の不思議

宇宙番組は好きなので良く見ますが、火星に人類が移住してコロニーを作り、やがて宇宙にひろがってゆくのですなんてフレーズを聞いて、なんとなくそう思っていたけど、なんか疑問湧いてきました。先進国の人口減少してますからw。

火星に移住してコロニーを作るってことは、人口が増える、どんどん人口が増え続けて宇宙に広がっていくという話。宇宙モノのアニメや映画なんかも、だいたい人口ががんがん増えることが前提になってるんです。しかし世界の先進国では人口が減少傾向にあります。日本なんかすごいペースで減りそうな話ですし。

となると、あれらのテレビ番組や映画は、まるで前提から成り立たないじゃないですか。人類が宇宙に広がるどころか、地球で人口が減って、いなくなるんじゃないの?なんで、火星や宇宙に移住したとたんに精力バリバリになって、子供増やすんでしょうかw。ありえないです。

そもそも、人口が減るってことが、生物学的に言えば変なんです。何らかの原因があるから、人口が減るわけですよ。それをきちんと考えないと、人類が宇宙に広がるどころか、地球から出る前に人口減少で自滅してしまいますよw。ああいう番組を制作していて疑問に思わないんでしょうか。

なんで自然の摂理に反して人口が減るのか?そんなの子供を育てる義務とか本人の自由意思の問題じゃなくて、環境が何かおかしいからでしょう。途上国の人口は今でも増えてますが、それらがやがて先進国になると、どの国も必ず人口減少を始める。こうなると、社会システムによって、人口増加が阻害されていると考えるのが科学的な解釈でしょう。

科学的と言えば、これ、人間じゃなくて普通に「野生動物」を観察していて、動物の数が減少しはじめたら、なにかの環境要因があるはずだと騒ぎになるでしょう。動物の自己責任とか、自由意志とかそういう話じゃなくて。人間も動物ですから、人口減少には何らかの環境要因が想定されて当然だと思います。

生活している環境が悪化しないのに、勝手に数が減って消滅する動物なんて、聞いたことがありません。

火星移住計画の前に、人口が自然に増える社会システムにしないと、人類が宇宙に広がるどころじゃないよw。と、思いました。


2017年9月7日木曜日

ワニの口が開くのはおカネを増やさないから

財務省とその取り巻きである新聞テレビ、御用学者はそろって消費税の増税に賛成し、年がら年中ヒマさえあれば「財源がー」「ワニの口がー」と言っている。

しかし、税収が増えずにワニの口が開くのは、世の中のおカネを増やさないからなのです。おカネを増やさないと税収が増えない。これは日本が世界に実例を示しています。



1990年までマネーストックは10%近い割合で増加し続け、その間は税収が伸び続けています。ところがそれ以後、マネーの伸びを一気にゼロにする緊縮ショックを与えた上、マネーの伸びを3%程度に抑え続けています。その間、税収は減少傾向を続けています。

意図的に世の中に供給するカネを絞っておいて、それで税収を減らし、財源が足りないと言って国民の税金を増税する。明らかにおかしでしょう。財務省はそんなに国民を貧しくしたいのでしょうか。

消費税の増税など、とんでもありません。まずやるべきなのは、この図でわかるように、世の中のおカネの伸びを増やすことです。例えば10%程度、あるいは8%程度まで増やす。それでも税収が増えないのであれば、初めて増税を検討すべきなのです。

優先順位を間違えると、経済が破滅します。

2017年9月6日水曜日

北朝鮮の核を平和的に解決する意味

北朝鮮の核兵器の問題を平和的に解決すべきとの話が出ていますが、それは全世界の国々に核保有を認めることを意味します。そうした覚悟があれば反対はしないし、むしろ賛同します。

北朝鮮は核兵器を絶対に手放しません。今まで核兵器を開発した核保有国の中で、平和的に核兵器を手放した国があったでしょうか?中国もアメリカもロシアも、決して核を手放しません。ゆえに北朝鮮が核兵器を一度でも手にすれば、手放すことはないと考えるのが当然です。

北朝鮮は「無条件での話し合いになら応じる」と言っているらしいです。となれば、北朝鮮の核を話し合いで解決しようとすれば、まず間違いなく北朝鮮の核保有を廃止する前提なしに話し合いが進められ、結果的に北朝鮮は核保有国、しかもICBMの保有国となる。中国もアメリカもロシアも、決して核を手放さないのに、北朝鮮が核兵器を手放すはずがない。

もし、北朝鮮の核兵器保有を認めてしまえば、中国やアメリカ、ロシアの主張する「核兵器不拡散」の大義名分は消し飛んでしまう。北朝鮮の核兵器だけ認めて、やったもの勝ちの事例を示すだけで済むはずがないからだ。次はイランが開発を加速する。最終的に特定の国が核を独占するのではなく、全世界が核保有国になることを認めるしかなくなる。

北朝鮮の核兵器を平和的に解決するとなれば、
おそらくそういう流れになる。

北朝鮮とアメリカの戦争を避けるために話し合いによる解決を目指し、結果として全世界が核兵器を保有するようになったとしても、戦争になるよりも良いのではないか。特に左派系の人たちは、北朝鮮の問題を平和的に解決しようと願っているようなので、世界が核武装すれば、まさに「核抑止力の世界平和」である。

いっそ、全世界が核兵器保有国になって初めて、核兵器を独占している現在の核保有国(中国、ロシア、アメリカ、イギリス、フランスなど)が核軍縮を真剣に検討するようになるかも知れない。今は、核を独占する保有国が自国の核兵器を削減するつもりなど更々無いのですから。

名指しで北朝鮮の核兵器の標的にされているアメリカだけでなく、話し合いで解決すべきという中国もロシアも、所詮は欺瞞である。彼らは自国が保有する大量の核兵器を捨てる代わりに、北朝鮮の核兵器を廃止させようなどという気はない。自分の核兵器はそのままに、他国の核兵器は許さないというのだ。核エゴイズム。

人間って、本当に愚かな生き物だよ。早く人工知能に支配されたほうがいい(皮肉)。

2017年9月4日月曜日

悪しき「痛みの分かち合い」精神論

消費増税の大義名分に多用される「痛みの分かち合い」精神論は、緊縮論者の主張する増税による社会保障の方法論であり、日本全体を貧困化する悪しき精神論です。

民進党の党首選においてオール・フォー・オールを政策理念に掲げた前原氏が当選したこと受け、先日の読売新聞に何人かの識者の論評記事が掲載された。そこにさっそく、慶応大学の財政御用者が出動し、「痛みの分かち合い論」を展開していました。オール・フォー・オールは痛みの分かち合いであると。

曰く、皆でおカネを出し合い(消費増税)、痛みを分かち合うことで育児・介護などの社会保障サービスを向上させるべきだという。厄介なのは、これを一見すると、さも正しく見えてしまうことにあります。多くの一般読者は深く考えずにコロッと騙されるでしょう。しかし根本的に間違いです。

なぜなら、これは国民への社会保障の提供を公共サービスの供給力ではなく、カネの量によって決めようとする考えだからです。この場合のカネの量とは税収に限定されるカネのことです。社会保障に関する発想がサービスの供給力ではなく、カネの量に縛られています。

しかし冷静に考えてみると、公共サービスはカネの量ではなく、公共サービスの供給量そのものによって制約をうけます。すなわち、公共サービスの供給量が必要十分であれば、人々が受けられる公共サービスの量も必要十分になるのは当然と考えられます。社会保障にとって重要なのは、いわゆる財源(カネ)ではなく、公共サービスの供給量そのものなのです。もしサービスの供給量が十分にあり、カネが足りないだけなのであれば、そんなものは刷ればいいのです。

つまり「皆でおカネを出し合い(消費増税)、痛みを分かち合うことで育児・介護などの社会保障サービスを向上させるべきだ」は、経済学的に言えば、とんでもない間違いなのです。もし痛みを伴う必要があるのであれば、次のように考えるのが正しい。

「カネを発行して国民に支給し、育児・介護などの社会保障サービスを向上させ、その結果として生じるインフレによって痛みを分かち合う」

これが、正しい痛みの分かち合い論なのです。消費増税による痛みの分かち合い(緊縮脳)は、あっちのカネを奪い取ってこっちに回すだけなので、社会全体としての消費が拡大しないのです。確かに社会保障は確保できますが、経済が拡大しませんからデフレも脱却できず、社会全体はちっとも豊かになりません。社会保障の受け取り手だけが豊かになります。

一方、通貨発行(ヘリマネ)による痛みの分かち合いは、どこからもおカネを奪わず、おカネの足りないところにカネを回します。なので、全体としておカネの回りが良くなり、消費量が拡大し、経済成長し、好景気になります。もちろん、税収も自然に増加しますから、やがて税収による社会保障にも道筋が見えてくるかもしれません。

通貨発行による痛みの分かち合いは、「インフレ」として現れます。インフレ率は需要と供給の関係できまるので、比較的に経済合理性が高いと言えます。また必ずしも高インフレになるとは限りません。もし人工知能やロボットのような機械化によって供給がどんどん拡大すれば、インフレ率は低く抑えられます。いずれにしろ、国民負担は合理的な範囲にとどまります。また、インフレになれば国民所得も同時に向上するため、インフレもそれほど苦にならないはずです。

一方で、消費税の増税による痛みの分かち合いは「税率」によって決まりますが、それは需要と供給とは無関係に、役人の恣意的な意図によって決まるため、市場にとって歪んだものになります。しかも通貨発行を否定して、今あるカネの量でやりくりしようと言うのですから、世の中のおカネの量は増えず、税収は毎年減り続ける一方でしょう。従って、消費税率はどんどん引き上げられ、20%、30%はあたりまえになってしまいます。増税すれば好景気にもインフレにもなりませんので、国民所得も減り続けます。最終的に行き着く先は社会保障制度の破綻です。消費増税による痛みの分かち合い精神論は、悪しきどころか破綻を免れないのです。

ところが、この「消費増税による痛みの分かち合い精神論」を、新聞テレビ、御用学者、政治家が総出で強力に後押ししているのが現状です。彼らは社会保障制度の破綻に向かって、レミングのごとく全速で崖下の海へ奔走しています。まさに狂気です。

正しい痛みの分かち合いは消費増税ではなく
インフレによって担われなければなりません。



2017年9月1日金曜日

「ベーシックインカムは社会保障」の認識は古い

新聞マスコミにベーシックインカム(BI)の話題がボツボツ取り上げられるようになりました。しかしBIに対する彼らの認識は未だに「社会保障」のようです。そろそろBI=社会保障の認識から卒業する時期です。

BIが本格的に提唱され始めたのは1960年代のアメリカだったといいます。その当時の常識から言えば、それは社会保障の一種だと考えられていたと思われます。BIが社会的な格差を縮小し、貧困を解消することから、その後も、弱者救済の政策すなわち社会保障であると認識されてきたとしても当然なわけです。

ところが21世紀に入り、BIが提唱され始めた時代にはまったく想定されていなかった事態が生じてきました。それが人工知能やロボットなどの機械の飛躍的な進化です。機械の生産性は時代とともに常に向上してきましたが、その速度がますます加速し、将来的には大量の失業を生む可能性が出てきました。

しかも、そもそも人工知能やロボットによって人間が無味乾燥な労働から解放される社会こそ、理想の未来社会であるわけです。人間がいつまでも仕事にしがみ付いていれば、そんな未来社会は永遠に訪れません。人間の仕事を徐々に減らさねばならないわけです。

ところが、所得の全てを労働の対価として受け取る現在のシステムは、その未来のビジョンと激しい矛盾を生じます。所得のすべてが労働の対価である以上、人間は未来永劫、労働に依存し続けるしかないからです。こうした観点から、BIは新たな経済システムの一部として必要不可欠であると考えられるようになったのです。これがBIの新しい展望です。

こうした展望はBI運動の始まった1960年代にあろうはずもありません。まさに、21世紀における新たなビジョンであり、ここにはBI=社会保障という意味はまったくないのです。

社会保障という言葉のイメージは、明らかに「弱者救済」です。ですから、もしBIが社会保障であるとするなら、BIは弱者救済という意味に捉えられるでしょう。しかし、21世紀のビジョンから言えば、BI=弱者救済との認識はまったくの的外れであり、むしろ国民にあらぬ誤解を与えるだけの認識であると思うのです。

弱者救済はどちらかといえば道徳的な価値観に関わる問題なのです。そのため賛成・反対の両者があって不思議はありません。しかし、新しいBIのビジョンでは、それは弱者救済ではなく、経済システムの向上と持続可能性の問題なのです。それゆえ、もしBIを導入しなければ経済システムそのものが破綻するリスクにさらされるのです。

つまり、BIは社会保障のように価値観で是非が判断されるような代物ではなく、導入が避けられないシステムであり、そのような認識を国民に正しく理解していただく必要があるのです。

しかし新聞マスコミの頭は相変わらず20世紀で止まっており、未だにBIは社会保障との古い認識から一歩も踏み出せないようです。もちろん新聞マスコミは税制に関しても未だに20世紀で足踏みしており、彼らの頭では、BIの財源(通貨の循環システム)を設計することなど未来永劫に不可能でしょうね。まさに役立たずです。

そろそろ「ベーシックインカムは社会保障」という時代遅れの認識から卒業する時期です。