2017年9月6日水曜日

北朝鮮の核を平和的に解決する意味

北朝鮮の核兵器の問題を平和的に解決すべきとの話が出ていますが、それは全世界の国々に核保有を認めることを意味します。そうした覚悟があれば反対はしないし、むしろ賛同します。

北朝鮮は核兵器を絶対に手放しません。今まで核兵器を開発した核保有国の中で、平和的に核兵器を手放した国があったでしょうか?中国もアメリカもロシアも、決して核を手放しません。ゆえに北朝鮮が核兵器を一度でも手にすれば、手放すことはないと考えるのが当然です。

北朝鮮は「無条件での話し合いになら応じる」と言っているらしいです。となれば、北朝鮮の核を話し合いで解決しようとすれば、まず間違いなく北朝鮮の核保有を廃止する前提なしに話し合いが進められ、結果的に北朝鮮は核保有国、しかもICBMの保有国となる。中国もアメリカもロシアも、決して核を手放さないのに、北朝鮮が核兵器を手放すはずがない。

もし、北朝鮮の核兵器保有を認めてしまえば、中国やアメリカ、ロシアの主張する「核兵器不拡散」の大義名分は消し飛んでしまう。北朝鮮の核兵器だけ認めて、やったもの勝ちの事例を示すだけで済むはずがないからだ。次はイランが開発を加速する。最終的に特定の国が核を独占するのではなく、全世界が核保有国になることを認めるしかなくなる。

北朝鮮の核兵器を平和的に解決するとなれば、
おそらくそういう流れになる。

北朝鮮とアメリカの戦争を避けるために話し合いによる解決を目指し、結果として全世界が核兵器を保有するようになったとしても、戦争になるよりも良いのではないか。特に左派系の人たちは、北朝鮮の問題を平和的に解決しようと願っているようなので、世界が核武装すれば、まさに「核抑止力の世界平和」である。

いっそ、全世界が核兵器保有国になって初めて、核兵器を独占している現在の核保有国(中国、ロシア、アメリカ、イギリス、フランスなど)が核軍縮を真剣に検討するようになるかも知れない。今は、核を独占する保有国が自国の核兵器を削減するつもりなど更々無いのですから。

名指しで北朝鮮の核兵器の標的にされているアメリカだけでなく、話し合いで解決すべきという中国もロシアも、所詮は欺瞞である。彼らは自国が保有する大量の核兵器を捨てる代わりに、北朝鮮の核兵器を廃止させようなどという気はない。自分の核兵器はそのままに、他国の核兵器は許さないというのだ。核エゴイズム。

人間って、本当に愚かな生き物だよ。早く人工知能に支配されたほうがいい(皮肉)。