2017年10月25日水曜日

野党のダメさ加減は深刻

今回の選挙結果から、野党の深刻なダメさ加減が明白になった。小選挙区制の性質上、与党が有利であることは避けられないが、それにしても国会の三分の二を与党が占めるのは、野党が国民の支持を得ていなからだ。

しかも野党は若者の支持率が低い。いわば「市民と野党」VS「若者と自民党」なのだ。読売新聞のアンケートによれば、衆議院選挙における与党大勝がよかったと思う人は48%で、悪かったとする人36%を上回ったというが、さらに19歳~29歳の若者に限ってみると、実に60%以上の人が、自民党の圧勝を歓迎しているのである。

これからの時代を担う若者に夢を与えているのは、
野党ではなく自民党なのだ。

まさに「情けない」の一言。野党は若者ではなく「プロ市民と高齢者」のための政党なのだ。野党は自民党以上に保守的(=古臭い)政党だと思われているのである。そして実際にやっていることは、まさにシーラカンスのようなことばかりである。

労働組合をそのまま政党にしたような主張をしている。これはもう50年以上も昔からまったく同じだ。化石である。マクロ経済の視点がないため、ひたすら賃上げ、労働環境の改善というミクロ対策に固執している。しかし賃金も労働環境もマクロ環境によって極めて強い影響を受けるため、マクロ経済を抜きに考えることは不可能であり、マクロ環境を良くすれば賃上げ、労働環境を改善することができる。逆に言えば、マクロ環境が悪化すれば、いくら騒いでも賃金や労働環境は悪化する。

また財政再建に関しても野党はミクロである。つまり、消費税増税によって税収を増やす財務省のやり方に賛同しているのだ。消費増税でマクロ経済を活性化することは決してできない。カネが回らなくなるからだ。マクロ経済を改善することで税収を増やさなければ、税率を上げたところで税収は必ず頭打ちとなり、いずれ行き詰まる。

しかし野党でこれらを理解している政党はない。

身を切る改革を連呼する維新も伸びなかった。そもそも「身を切る」なんて景気が悪いし、国会議員が身を切ったあとは、国民に身を切れ(増税)と言ってくるのが、目に見えたのだろう。身を切るなんてフレーズに明るい未来の展望など感じられるわけがない。身を切るよりも、経済の活性化である。

あたらしもの好きの国民が多いので、希望の党がもう少し伸びるかと思ったが、意外に伸びなかった。無党派を動かせるほどの魅力はなかったのだろう。単に「安倍一強を許さない」だけでは、批判票を取り込めても、国民に希望を与えることはできなかった。

プロ市民と高齢者のための野党のままなら、政権を獲得することは永遠に不可能だろう。野党は未来を担う若者にどんな希望を示すことができるのか、それが問われている。自民党が希望を示しているかと言えば、まったくそんなことはない。野党が古すぎるから、自民党が新しく見えるだけだ。

キーワードは「人工知能とロボット」。

野党は今までの政策を捨て、ゼロから政策を考え直すべき時だ。