2017年11月15日水曜日

徳川埋蔵金と政府貨幣(お遊び

ちょっとしたお遊びで政府貨幣の意味を考えてみましょうw。ある日、国有地の工事中に3000億円とも言われる徳川埋蔵金が発見された。政府はこれを財源にしようと思うのですが、どうするか。

というのも、埋蔵金が仮に大判小判のような金貨(江戸幕府の貨幣)だった場合、そのままでは流通できません。財源として利用できないわけです。財源として利用するには、これを通貨(現金または預金)の形にしなければならないわけです。そのためには、

①埋蔵金を市場で売却

埋蔵金をオークションなどで売却して通貨に変える方法です。もっとも一般的ですが、最もつまらない方法です。仮に3000億円で売れたら、財源として3000億円確保されるだけです。3000億円の埋蔵金が出てきたのだから、世の中のおカネつまりマネーストックが3000億円増えるかと言えば、1円も増えません。コレクターの銀行預金(マネーストック)が動くだけです。

おまけに政府の予算が100兆円にもなるのですから、3000億円はマクロ的にあまり面白くありません。が、彼らは、まあこれやるでしょうね。頭が固いからねw。

②埋蔵金を日銀に預金する

埋蔵金を政府の銀行である日銀に預金します。日銀は資産として金地金を保有して現金(日銀当座預金)を発行していますから、金地金扱いで預金しても、日銀当座預金が発生します。しかし、徳川埋蔵金を、江戸幕府から引き継いだ「政府の貨幣(通貨)」であると考えれば、政府貨幣を預金して日銀当座預金を引き出すとも言えるわけです。

さて仮に日銀の帳簿で埋蔵金(政府貨幣)3000億円と計上し、政府の日銀当座預金に3000億円が発生すると、これはマネタリーベースが3000億円発生したことになります。それを政府が財政支出すると3000億円のマネーストック(市中銀行預金)が発生します。つまり、世の中のおカネが3000億円増えます。

同時にマネタリーベースが増えるので、これは現在の量的緩和とまったく同じ効果を持ちます。つまり、市中銀行の貸し出し元本を増やすことで、3000億円以上のおカネを増やす効果がある。埋蔵金を市場で売却するのとはわけが違うのです。

しかし、彼らは、まあやらないでしょうね。前例がありませんからw。

という、思考のお遊びでした。徳川の埋蔵金(大判小判)を政府通貨と考えるなら面白いわけです。こういう話をすれば、徳川の埋蔵金を一般コレクターに販売するよりも、日銀に預金したほうがいいなと思う人も多いかもしれません。

ところで徳川の埋蔵金なんか出てくるとは思えませんが、なにも徳川の埋蔵金(大判小判)である必要はないんです。徳川の埋蔵金が江戸幕府から引き継いだ政府貨幣だとするなら、同じように政府が政府貨幣を発行して日銀に預金すれば、同じく日銀当座預金が発生するのです。

埋蔵金を探さなくても、おカネはあるんですよ。