2018年1月15日月曜日

人手不足が高成長の時代をもたらす

「人手不足が経済成長に悪影響を及ぼす」との考えは、古い時代の遺物です。人工知能とロボットの時代を迎えつつある今日、人手不足を乗り越えた先には高成長の時代が待っているのです。

1900年代の常識は「人が働いて財を生む」でした。その古い常識に従えば、人手不足が経済成長の足かせになると考えたとしても不思議はありません。しかし2000年代の今日、メディアに溢れる情報を理解しているなら、すでに「人が働かなくても財が生まれる」時代になりつつあることが理解できます。

そうした時代に人手不足が生じるとどうなるでしょうか?労働者の代わりに機械が導入されます。すでに技術的に機械化の可能な分野はいくつもあるでしょう。自動運転はすでに実用段階に入りつつありますし、自動レジだけでなく、完全自動コンビニまで登場しています。無人工場も増えるでしょう。野村総研のレポートにもあるように、10~20年後に日本の仕事の半分は機械に代替可能と考えられているのです。

そして、「人手不足になればこそ」そうした自動機械の需要が高まります。そして機械化分野への投資が広がり、技術開発が加速します。ニーズ、必要性がなければ投資も開発も進まないのです。ですから、人手不足はテクノロジーの進化を加速します。

さらに、人手不足の後押しによって他の先進国に先駆けて日本で自動化技術が実用化されれば、それはテクノロジーの国際競争力を高めと共に、国内の生産力を爆発的に増加させる可能性があります。

これまでは、労働者がいなければ財は生産できなかった。労働力人口の大小が国の生産力を制限していたわけです。ところが、労働力がなくても財がどんどん生産できるようになるのですから、労働力人口というレベルキャップがなくなるわけです。これが日本を飛躍的な成長段階に導くことは間違いありません。人口で勝る大国に対して、引けを取ることはありません。

労働力人口と無関係の経済成長の時代を迎えます。

もちろん、いくら生産能力が高まっても、調達可能な資源の量によって供給量は制限されますから、天井知らずの成長が可能なわけではありません。しかしリサイクル技術や代替資源技術は今も確実に進歩し続けていますので、深刻になる必要はないと思います。それにしても、重要なことはテクノロジーへの投資です。これこそ「投資という痛みを伴う改革」です。

しかし、人手不足を移民で安易に解消することは
投資から「逃げること」であり
次なるステージへ進む日本の未来は消えるでしょう。

投資から逃げて、安易な移民を推進すれば、機械を導入するより安く人手不足に対応できます。これにより人件費コストを押さえれば短期的に企業の利益は確保されますが、機械化技術への投資の必要性は低下します。ゆえに技術開発は加速せず、技術の国際競争力も高まらないでしょう。もちろん、日本が飛躍的な成長の時代を迎えることは、ずいぶん遅れると思います。その間に他国との差、とりわけ機械化に熱心な中国に差をつけられることは間違いないでしょう。

目の前の人手不足で右往左往して大騒ぎするマスコミ。
安易に移民の受け入れを容認するマスコミ。

こうした「先見性のないマスコミの騒ぎ」に惑わされず、しっかりした未来へのビジョンを多くの国民が持つなら、日本は早い段階で、人工知能とロボットによる高成長の時代を迎えることができると思うのです。